(CNN) 欧州の航空会社少なくとも2社がロシア当局にベラルーシをう回するルートでの飛行許可を申請したところ、拒否されたことがわかった。
ベラルーシ上空では23日、格安航空大手ライアンエアの旅客機が進路妨害を受け、緊急着陸を強いられる事案があった。欧州連合(EU)の首脳らはこれを国が許可したハイジャックと位置づけ、ベラルーシに対する新たな制裁を検討している。
ロシアによる今回の対応はベラルーシ政権を支援する形となる。
オーストリア航空は27日、ウィーン発モスクワ行きの便を取りやめると発表。「飛行経路の変更は当局の承認が必要だが、ロシア当局は許可しなかった」と説明した。エールフランスも26日に同様の理由でパリ発モスクワ行きの便を中止している。
EUはすでにベラルーシの航空会社に対しEU内の空港の離発着を禁止。EU各国の航空会社にベラルーシの領空を避けて飛行するように要請している。
ベラルーシのベラビア航空は声明で、各国の飛行禁止の措置を受けアムステルダムやベルリン、バルセロナ、ロシア飛び地のカリーニングラードなど8カ国への便を中止したと発表した。
問題のライアンエア機はアテネからリトアニア・ビリニュスに向かっている途中で着陸を強制された。着陸後、搭乗していたベラルーシの反体制派活動家のロマン・プロタセビッチ氏と仲間のロシア人、ソフィア・サペガ氏が拘束される事態となった。
プロタセビッチ氏は27年間続くルカシェンコ政権への反対を訴えるジャーナリスト兼活動家の一人。メッセージアプリ「テレグラム」で反政権デモを支援するチャネルを開設し、ベラルーシ政府からテロ容疑で指名手配されていた。
クレムリン(ロシア大統領府)のペスコフ報道官は26日、ライアンエア機にミンスクへの着陸を指示したベラルーシ当局者に論拠があったとの見解を示した。