米議事堂襲撃の調査委員会、マコネル氏が共和党議員に設置反対を強く求める

、米共和党のマコネル上院院内総務(中央)/Kevin Dietsch/Getty Images

2021.05.28 Fri posted at 07:56 JST

ワシントン(CNN) 今年1月に発生した米連邦議会議事堂襲撃の調査を行う独立委員会の設置法案で、共和党のマコネル上院院内総務が同僚議員に反対を求める圧力を強めている。事情に詳しい2人の共和党員が明らかにした。

そのうちの1人によると、マコネル氏は立場を明確にしていない議員らに「個人的なお願い」としてフィリバスター(議事妨害)への賛成を求める異例の動きをしているという。

この人物は「委員会を葬るためになぜ『個人的なお願い』までするのか誰もわからない」と語った。

マコネル氏の側近はCNNの取材に、同氏の私的な会話を全て把握しているわけではないが、そこで話すことと公に話すことに違いはないと述べた。

マコネル氏の動きは、襲撃後に亡くなった議事堂警察のブライアン・シックニック警官の母、グラディス・シックニックさんが委員会設置に向けて共和党上院議員に面会を求めるタイミングと重なる。14人の共和党議員が27日、グラディスさんと会って話をすると約束した。前述の2人の共和党員は、マコネル氏が法案の前進を阻止するため、あらゆる手段に訴えていると見ている。

これまでに委員会設置に支持を表明した共和党上院議員はミット・ロムニー、スーザン・コリンズ、リサ・マコウスキーの3氏のみ。民主党がフィリバスターを回避するには10人の共和党議員の賛成が必要となる。

共和党のマコネル上院院内総務

コリンズ氏はマコネル氏の懸念点に対応する法案の修正に動いてきた。下院が通過した法案の「欠陥」を直す修正により法案への主な反対意見に対応できたはずで、ペロシ下院議長とも修正について合意を得られたと同氏は語る。

共和党指導部は10人の造反が出るとは見ていない。委員会が民主党の政治的利益のために利用され、共和党が上下両院で過半数を取り戻す取り組みを損なうものだとの党内での説得が効を奏していると見る。

それでも、下院でマッカーシー院内総務の呼びかけにもかかわらず35人の共和党議員が造反したのを見て、マコネル氏はぬかりなく対応しようと圧力を強めている様子だ。

同氏は2月の議場での演説で、議事堂襲撃はトランプ氏が誘発したものだと発言。襲撃後には同僚議員にトランプ氏が「いなくなって」ほしいと語り、共和党はトランプ氏を離れて前進すべきだと唱えていた。

だが議場の演説から2週間後には、2024年の共和党大統領候補はそれがトランプ氏であっても「完全に」支持すると発言。トランプ氏の党内での人気を認める姿勢に転じたように見える。

マコネル氏、調査委員会設置への反対を「個人的にお願い」

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