タスマニアデビルの赤ちゃん、オーストラリア本土で3千年ぶりに誕生

2020年に豪州本土へ11匹のタスマニアデビルが放たれた/From Aussie Ark/Instagram

2021.05.27 Thu posted at 10:37 JST

(CNN) オーストラリア固有の有袋類タスマニアデビルの赤ちゃんが、約3000年ぶりに本土の自然の中で誕生した。非政府組織(NGO)のオージー・アークがインスタグラムへの投稿で発表した。

同団体の24日の投稿によると、東部ニューサウスウェールズ州バーリントン野生生物保護区で、タスマニアデビルの赤ちゃん7匹が誕生した。

野生のタスマニアデビルは、犬の仲間のディンゴが持ち込まれたことを受けて本土に生息していた個体が死に絶え、今はタスマニア島にしか生息していない。しかし同島のタスマニアデビルの間では伝染性の腫瘍(しゅよう)が流行し、1996年に発見されて以来、約90%が死滅した。

オージー・アークは昨年9月、タスマニアデビル11匹を本土の自然に戻していた。その前にも試験的に15匹を放しており、本土に生息するタスマニアデビルは26匹になっていた。

ピーナツの粒ほどの大きさの赤ちゃんが確認された

それから数カ月を経て本土に放した個体の間で繁殖に成功し、同団体は母デビルの袋の中に、ピーナツの粒ほどのサイズの小さな赤ちゃんを確認した。

オーストラリア観光局によると、タスマニアデビルのメスは、1回の出産で20~40匹の赤ちゃんを産む。赤ちゃんたちは、競い合って乳首が4つしかない母デビルの袋を目指し、袋にたどり着いた赤ちゃんが約3カ月間、その中で成長する。

タスマニアデビルは世界最大の肉食有袋類で、ほかの絶滅危惧種を危険にさらすネコやキツネなどの頭数をコントロールする助けになる。死肉も餌にすることから、疾病対策の役にも立つ。

タスマニア島に残る野生の個体は約2万5000頭ほどに減っているという。

タスマニアデビルの赤ちゃん誕生、豪州本土で3千年ぶり

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