新型コロナ感染、犬が検知できる可能性 英研究

サンプルの臭いをかぐラブラドールレトリバーの「マーロー」。新型コロナウイルスを検知できるかどうか調べた実験で有望な結果が出たとの研究結果が発表された/Neil Pollock/MDD

2021.05.24 Mon posted at 14:12 JST

(CNN) 英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院などの研究チームは23日、犬を使って新型コロナウイルスを検知できるかどうか調べた実験で、有望な結果が出たと発表した。

この研究は同大学院と英ダラム大学、医療探知犬の団体が共同で実施し、臨床実験の第1段階を完了した。

実験に参加したのは4~6歳の犬6頭で、犬種はラブラドル、ゴールデンレトリバー、コッカースパニエルだった。研究チームによると、犬たちは6~8週間の訓練を受けて新型コロナウイルスの臭いを検知できるようになったという。

第1段階の実験では、衣類やマスクに付いた新型コロナウイルスの臭いを検知する訓練を行った。

その結果、犬たちは約82~94%の確率で新型コロナウイルスを検知できた。化学分析では、感染者は新型コロナウイルスに関連した「独特の」臭気を放つことが分かっている。

「犬たちは素晴らしいスピードと精度で、たとえ無症状でも新型コロナウイルスを検知できた」と研究者は説明する。

今回の実験には4~6歳の犬6頭が参加した

新型コロナウイルスに感染していないことを検知できる確率は76~92%だった。

研究チームは、新型コロナの検出は依然としてPCR検査が基本だが、犬を使えば人の多い場所で手早く簡単に検査する手段を提供できると指摘する。さらに、「空港に探知犬がいると知っていれば、もし感染した場合、旅行することについて考え直す公算は非常に大きい」としている。

ただし今回の研究にかかわっていない専門家は、空港など実際の場で探知犬が活躍できるかどうか判断するのは時期尚早だと指摘した。

実験の第2段階では、犬たちが衣類ではなく実際に感染した人をかぎ分けられるかどうか試す予定。

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