エルサレム(CNN) 中東エルサレムにあるイスラム教礼拝所「アルアクサ・モスク」の前で21日、イスラエルの治安部隊がパレスチナ人と衝突し、閃光(せんこう)弾やゴム弾を使用した。同モスクではこの日、信者数千人が金曜礼拝に参加していた。
イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスの停戦によりもたらされた平穏は半日で破られた。
モスクの敷地にいたCNN記者によると、イスラエルの警官は記者らを警棒で殴り、ライフル銃を向けようとした。記者らが取材許可証を見せようとすると、「うそつき」と呼ばれたという。
警官隊がモスクの敷地に立ち入った際には、数千人の礼拝者がガザや東エルサレムのシェイクジャラ地区のパレスチナ住民への連帯を叫んでいた。同地区では一部のパレスチナ人家族が立ち退きを迫られている。
パレスチナ通信(WAFA)は21日、イスラエル警察がモスクの敷地に「侵入」したとして、パレスチナ当局がこれを強く非難したと伝えた。
一方、イスラエル警察の報道官は警官隊の行動について、パレスチナの若者数百人による投石などの暴動に対応したものだとしている。
CNNは悲鳴を上げる子どもたちを含め、人々が閃光弾の音に逃げ惑う様子を目撃した。パレスチナ赤新月社は、モスク敷地での衝突後に20人を治療したと説明。2人が病院に搬送され、それ以外の人は現場で手当てを受けたと明らかにした。
イスラエルとハマスによる最近の衝突では、アルアクサ・モスクと立ち退きの問題が火種となった。ハマスが運営する保健省によると、ガザ地区ではパレスチナ人248人が死亡。イスラエル国防軍などによると、イスラエル側では12人が死亡した。