(CNN) 米ルイジアナ州で2019年、交通事故で死亡したとされていた男性に対し、警官らが暴力を振るっていた場面の映像が見つかり、その一部が公開された。
ロナルド・グリーンさんは2019年5月、ルイジアナ州モンローの道路を運転中、警察の追跡から逃れようとして樹木に激突。遺族は当初、即死と聞かされていた。
だが米AP通信がこのほど入手したとされるボディーカメラの映像には、衝突後のグリーンさんと警官らの様子が映っている。
AP通信は46分間の映像のうち抜粋3本、計2分間あまりの部分を公開した。警官らはこの中でグリーンさんの車のドアを開け、テーザー銃を発射している。グリーンさんは警官らに謝り、「怖い」と訴えた。
撃たれた後でうなり声をあげ、地面に倒れているグリーンさんに、1人の警官が手錠をかけた。もう1人がグリーンさんの体を何度もけった。
警官が「体じゅうに血がついてしまった。こいつがエイズ持ちでないといいが」と話す声や、グリーンさんが警官にひきずられる姿も収録されていた。
AP通信によると、警官らが自分の手や顔についた血液をふき取る間、グリーンさんは9分間以上にわたってうつぶせのまま放置されたという。この部分は公開された映像には含まれていない。
ルイジアナ州警察はこうした映像について、正式なルートで外部に出た映像ではないと述べた。
州警察は当時、グリーンさんが交通違反で追われている間に事故を起こしたと説明した。これに対して遺族らは昨年5月、現場での暴力が死亡の原因だとして警官ら7人を訴えた。州警察は調査の結果、グリーンさんが警官らに抵抗して拘束され、まもなく呼び掛けに反応しなくなったと報告。病院への搬送中に死亡したとしている。
「交通事故死」とされた男性、警官らが暴力振るう映像が浮上