トランプ前米政権、CNN記者の通信記録を密かに入手

CNN記者の通信記録をトランプ前米政権が密かに入手していたことが分かった/Stefani Reynolds/Bloomberg/Getty Images

2021.05.21 Fri posted at 11:03 JST

ワシントン(CNN) トランプ前米政権がCNN記者の2017年の電話と電子メールの記録を密かに見つけ、入手していたことが21日までに分かった。連邦検察官が漏洩(ろうえい)に関する調査の過程で、ジャーナリストを標的に強気の措置を講じている実態を示す最新の事例となった。

米司法省は今月13日付の書簡で、CNNの国防総省担当のバーバラ・スター記者に対し、検察官らが同記者の電話及び電子メールの記録を入手していたと伝えた。期間は17年6月1日から同年7月31日までの2カ月間だという。

書簡にはスター記者の国防総省での内線番号とCNNの省内ブースの電話番号のほか、同記者の自宅の電話並びに携帯電話の番号、仕事用と個人用の電子メールのアカウントが記載されていた。

当該の調査が開始された時期や、どの司法長官の下で実施されたのかは不明。またトランプ政権がスター記者の記録から何を探し出そうとしていたのかもわかっていない。司法省はこれらの記録について、昨年見つかったことを確認したが、詳しい背景は明らかにしなかった。

司法省の当局者は、スター記者がいかなる調査の対象にもなっていないことを確認した。

トランプ前政権が司法省を通じてジャーナリストの通信記録を密かに入手したり、トランプ氏の支持者に批判的な人物を特定したりしていたことが分かったのは過去数週間で3度目となる。

CNNの国防総省担当のバーバラ・スター記者。同記者の電話及び電子メールの記録が漏洩していた

CNNのジェフ・ザッカー社長は、こうした行為を厳しく非難。ジャーナリストの通信記録は憲法の下で保護されているとして、これらを密かに入手することは許されないとの認識を示した。司法省に対し、直ちに会合を開いて説明を求める考えも表明した。

ジャーナリストが絡む漏洩の調査をめぐっては、オバマ政権時代にも当局の強権的な手法に批判の声が上がっていた。ただトランプ前政権は漏洩調査の追及に積極的で、前大統領自身も政府内から情報が漏れているとの不満をあらわにしていた。

今月に入り、連邦捜査局(FBI)によるロシア疑惑の調査を報道していたワシントン・ポスト紙の記者3人に対しても、司法省が昨年になって17年からの電話記録を入手したことが明らかになっている。

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