米駆逐艦、パラセル諸島付近で「航行の自由」作戦 バイデン氏の演説直後

米海軍の誘導ミサイル駆逐艦「カーティス・ウィルバー」=2010年6月4日、韓国/Jo Jong-ho/Yonhap/AP

2021.05.21 Fri posted at 09:28 JST

香港(CNN) 米海軍の誘導ミサイル駆逐艦「カーティス・ウィルバー」は20日、中国が実効支配する南シナ海のパラセル(西沙)諸島付近を航行した。バイデン米大統領はこの数時間前の演説で、米国は南シナ海への開かれたアクセスを守る必要があるとの認識を示していた。

第7艦隊報道官の声明によると、カーティス・ウィルバーはパラセル諸島付近で「航行の自由」作戦を実施。「国際法に合致した航行の権利と自由」を行使したとしている。

パラセル諸島は南シナ海北西部に位置する。ベトナムや台湾も領有権を主張しているが、中国は同諸島を40年以上にわたって実効支配。軍事施設を建設して要塞(ようさい)化を進めてきた。

中国政府は南シナ海のほぼ全域を自国の領土と主張しており、米軍艦の航行で主権が侵害されたとしている。

米海軍の誘導ミサイル駆逐艦「カーティス・ウィルバー」=2010年6月4日、韓国

中国人民解放軍(PLA)は声明で、PLAの艦船や航空機が米軍艦を追跡したと説明。PLA南部戦区の報道官は「米国の行動は国際法と国際関係の基本的規範に違反し、地域の安全保障リスクを高めるもので、誤解や判断ミス、海上の事故を招きやすい」としている。

一方、バイデン氏は19日、沿岸警備隊士官学校の卒業式で演説し、中国とロシアの「秩序を乱す行動」を批判。両国が南シナ海などの海上貿易を保護する国際的規則に挑戦しているとの見方を示した。

さらに、「航行の自由」のような長年の基本的な海洋原則は世界経済と安全保障の基礎だとした。

バイデン氏が演説、中ロの「秩序を乱す行動」を批判

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