インドから豪への帰国便、陽性で半数が乗れず 誤判定の主張も

帰国予定だったサニー・ジョウラさんと母親のダルシャンさん。検査で陽性となり搭乗できなかった/Courtesy Sunny Joura

2021.05.18 Tue posted at 20:11 JST

(CNN) オーストラリア政府はこのほど新型コロナウイルス変異株の流行国インドからの帰国禁止措置を撤回し、15日に初のチャーター便を派遣した。ところがインド側でチケットを取っていた帰国予定者のうち、半数近くが検査で陽性と判定されて搭乗できなかった。インドに足止めされたままとなったグループからは、判定結果の間違いを主張する声も上がっている。

インドでは豪州人9000人近くが帰国を希望している。禁止が撤回されてから数時間後に豪北部ダーウィンに到着した豪カンタス航空の便には、約150人が席を予約。インドの首都ニューデリーのホテルでの72時間の隔離を経て、新型ウイルスの検査を受けた。

検査を実施したのはニューデリーのCRLダイアグノスティックス社だ。CNN提携局によると、この検査で48人が陽性反応を示し、その近親者24人を含めて計72人が搭乗を禁止された。

高齢の母親を連れて帰国する予定だったサニー・ジョウラさんも、陽性判定を受けた1人。母親も濃厚接触者とみなされた。

ジョウラさんはその直後、別の業者による検査を受けた。結果は陰性だった。搭乗前に陽性判定を受けたほかの人々とも連絡を取ったところ、自分以外にも9人がその後の検査では陰性だったことが分かった。

豪メルボルンに住む別の男性も、インド滞在中の妻が陽性でチャーター便に搭乗できず、数日後には陰性判定を受けたと話している。

ジョウラさんと男性の妻はともに、最初の検査結果が間違いだったと主張する。

インドを脱出した豪州人を乗せたカンタス機=15日、ダーウィン空軍基地

CRLダイアグノスティックス社は検査結果に誤りがあった可能性を否定している。ただしインドの検査機関認定委員会によると、同社は先月6日、認定基準を守っていないとの理由で3カ月間の認定取り消しを言い渡されていた。

同委員会によれば、認定を一時的に取り消された業者はその期間中、認定済みのマークを使えないが、検査業務を続けることはできるという。

カンタス航空は同社の検査結果について、すべて医師の監督下で確認したと説明している。ハント豪保健相は同航空の検査体制を高く評価し、インドの業者についても現地で信頼されているはずとしたうえで、改めて調査を指示する意向を示した。

ジョウラさんは1年前、重病の父親を看病するために、妻子をメルボルンに残して母親とともに渡印した。新型ウイルスの感染拡大を受けて帰国を希望しているが、それがいつになるかについては何も連絡がなく、不安な状態が続いているという。

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