(CNN) イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの衝突は16日も続き、イスラエル軍がハマスのガザ地区トップ、ヤヒヤ・シンワル氏の自宅を爆撃した。パレスチナ側によると、ガザでは同日、イスラエル軍の空爆で100人近い死傷者が出た。
シンワル氏は2017年からガザ地区の指導者を務めている。イスラエル軍の報道官は、16日早朝にガザ地区南部ハンユニスにある同氏の自宅を攻撃したが、本人にけがはなかったと述べた。
一方パレスチナ保健省は、ガザで16日午前、イスラエル軍による空爆が2回あり、子ども8人を含む少なくとも43人が死亡、女性や子どもら50人が負傷したと発表した。
イスラエルの空爆後にがれきから生存者や遺体を探すパレスチナ人の消防隊=16日、ガザ/Mohammed Abed/AFP/Getty Images
イスラエル軍は16日朝、ハマスの軍事部門が15日午後7時から16日午前7時までの間にロケット弾120発を発射し、このうち11発はガザ側に着弾したとツイートした。軍報道官は同日、ハマス側のロケット弾発射機数十台を攻撃したと述べた。
イスラエルのガンツ国防相は15日のツイートで、事態をエスカレートさせるつもりはないが、どんなシナリオにも対応する用意があると述べた。ネタニヤフ首相も16日、「秩序回復のためにあらゆる手段を講じる」と表明し、ある程度の時間がかかるとの見通しを示した。
ネタニヤフ氏は15日、民間人の犠牲を回避するよう努めていると強調した。だがパレスチナ保健省によれば、ガザではこれまでに少なくとも子ども58人、女性34人を含む死者197人、負傷者1225人が報告され、人数はさらに増えると予想されている。
衝突の激化を受けて、国連安全保障理事会は16日に緊急会合を開いた。