先住民マオリの議員、議場で「ハカ」踊って退場 NZ

ニュージーランドのマオリ党共同党首ラウィリ・ワイティティ議員/Nick Perry/AP

2021.05.13 Thu posted at 10:23 JST

(CNN) ニュージーランド議会で12日、先住民マオリの議員が先住民の権利に関する審議の最中に伝統の踊り「ハカ」を踊り、議場から退場させられた。

退場させられたのはマオリ党共同党首のラウィリ・ワイティティ議員。ジャシンダ・アーダーン首相の質疑応答を遮って、野党の言動が人種差別的だとして非難した。

議長との緊迫した応酬を経てマイクのスイッチを切られたワイティティ議員は、ハカを踊り始めて即座に退場を命じられた。

ハカはニュージーランドでラグビーの試合前などに披露されるマオリ伝統の踊りで、戦いを前にして相手に立ち向かう掛け声の意味合いがある。

議会でハカを踊るワイティティ議員(写真中央)=12日、ニュージーランド

ワイティティ議員が割って入ったとき、右派のニュージーランド国民党党首ジュディス・コリンズ議員は、先住民の主権について首相に質問していた。

CNN提携局RNZによると、同党はこの問題に関してアーダーン首相を批判し、政府が保健制度の不平等を是正するため創設したマオリ保健局にも反対していた。

ワイティティ議員はニュージーランド国民党について、先住民に対する人種差別的な宣伝や発言があったとして非難、「これは侮辱であるだけでなく、議会のマナーを損なう」と訴えた。

議長がこれに応え、コリンズ議員の質問内容に秩序違反は認められないと述べたが、ワイティティ議員は席に戻ることを拒み、緊迫したやり取りが続いていた。

ワイティティ議員が退場させられたのは今回が2度目。2月にはネクタイの着用を拒んで退場を命じられていた。これに対してワイティティ議員は、ネクタイの着用を義務付ける規定は先住民文化の抑圧に当たると訴え、議会はこの規定を撤廃した。

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