(CNN) イタリアの高級リゾートとして知られるカプリ島が、新型コロナウイルス感染の心配がない「コロナ・フリー(なし)」の観光地として名乗りを上げている。
カプリ島があるカンパニア州の知事は8日、同島の住民に対する新型ウイルスワクチンの接種がほぼ完了したと発表。ホテル業界に「時間を無駄にしないことが重要だ。5月中に決断しなければ、観光シーズン全体を棒に振ることになる」と呼び掛けた。
カプリ市長がCNNに語ったところによると、島の住民1万5000人のうち約8割がすでに1回目のワクチン接種を済ませた。今週中には島外から通勤する観光業界の従業員も全員接種を受ける。
島内約60軒のホテルが加盟する業界団体の責任者は、観光客から希望があればPCR検査を実施し、滞在中に結果を通知することもできると説明した。
同責任者によれば、カプリ島の観光収入は昨年、パンデミックの影響で70%も激減した。
島の観光当局は、島内には観光客の密集を避け、自然と親しむことができる散策路も整備されていると強調する。
同じナポリ湾のプロシダ島でも、数日前に住民のワクチン接種が完了した。イスキア島もまもなく完了予定だという。
イタリア沖には約30の小さな島があるが、どこも医療体制は限られている。国内のベネチア、フィレンツェなどでは観光ガイドもワクチンの優先接種を受けられず、「どうして島の住民だけが」と疑問を投げ掛ける声も上がっているという。