モロッコで生まれた9つ子、今後待ち受ける戦いを病院が説明

モロッコで産まれた9つ子の赤ちゃんには今後乗り越えるべき問題が多くあるという/Akdital

2021.05.08 Sat posted at 16:09 JST

(CNN) アフリカ・モロッコの病院で4日、マリ出身のハリマ・シセさん(25)が9つ子を産んだ件。出産に対応したカサブランカの病院の責任者によると、女性の健康状態は良好だが、赤ちゃん9人には今後戦いが待ち受けている。

この責任者はCNNに対し「非常に早産だったので、まだやるべきことが残っている」と説明。「赤ちゃんたちは体重を付け、母乳をもらう必要がある。我々を待ち受ける問題は多い」と述べた。

赤ちゃん9人は妊娠30週で誕生し、体重は約500~1100グラムだった。うち5人は帝王切開で生まれた直後に人工呼吸器を装着した。

病院を所有するグループの広報によると、それから72時間以上が経過した今なお、3人は挿管されたままで、機械で小さな肺に空気を送りこんでいる状態だ。

マリ保健省の声明によれば、シセさんはマリ政府によってモロッコまで空路運ばれた。出産前、9つ子と羊水の重さの合計は約30~40キロだったという。

シセさんの出産には30人以上の医師や救急隊員が対応した

対応に当たった医師らは、シセさんの血圧をコントロールするカルシウム拮抗剤と鎮痙(ちんけい)薬を投与。可能な限り出産を遅らせる目的でホルモン療法も行った。

対応を指揮した婦人科医は動画で、「適切な処置により出産を遅らせることができた。神をたたえよう」と語っている。

シセさんの陣痛が始まると、30人以上の医師や救急隊員が安全な出産に尽力した。病院責任者によると、シセさんは帝王切開中に出血したものの、現在の容体は安定している。

世界保健機関(WHO)によると、アフリカや南アジアをはじめとする地域では毎年、1500万人の赤ちゃんが未熟児として生まれている。内臓の発育不全など早産に起因する合併症は5歳未満の赤ちゃんの死因の筆頭を占め、多胎妊娠の場合は早産の可能性が高くなる。産後に効果的なケアを行えば、生存の可能性を大きく高めることが可能だという。

マリの女性、9つ子を出産 赤ちゃんのその後は

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。