フランス人ジャーナリストがマリで誘拐か、動画で助け求める

アフリカ西部マリで行方不明になったジャーナリストのオリビエ・デュボワ氏=2020年9月/Michele Cattani/AFP/Getty Images

2021.05.07 Fri posted at 11:18 JST

パリ(CNN) 先月アフリカ西部マリで行方不明となったフランス人の男性ジャーナリストが5日、ソーシャルメディア上の動画に登場し、イスラム教徒の過激派組織に誘拐されたと明らかにした。フランス当局による支援を訴えている。

CNNは動画が本物かどうか独自に確認できていない。動画がいつ撮影されたのかも不明。

21秒の動画の中で、ジャーナリストのオリビエ・デュボワ氏は自らの身元を明かした後、マリ中部の町、ガオで4月8日に誘拐されたと述べた。実行犯はアルカイダ系の地元のイスラム教徒グループで、JNIМの名で知られる組織だという。

デュボワ氏はテントとみられる場所にはだしで座り、家族や友人、フランス当局に呼び掛け、あらゆる手段を駆使して自分を解放させるよう訴えた。

フランス外務省とフランス政府の報道官は、デュボワ氏が「マリで行方不明になった」ことを確認。当局が動画の技術的な検証を行っていると述べた。

5日に公表された映像に映ったデュボワ氏とみられる男性

政府報道官は5日の会見で、デュボワ氏の家族と連絡を取り、マリ当局とも連携していると説明。ただ誘拐の実行犯は特定しなかった。

デュボワ氏はマリとサハラ砂漠以南のアフリカ地域を拠点に活動する特派員で、ニュース雑誌や新聞など複数の仏メディアに向けて定期的に報告を行っていた。

リベラシオン紙によると、最近はガオ地域でのイスラム教過激派の武装組織に関する話題を伝えていたという。

国際NGO「国境なき記者団(RSF)」はフランス当局に対し、あらゆる権限を行使してデュボワ氏を解放するよう要求。非営利組織(NPO)「ジャーナリスト保護委員会(CPJ)」も、デュボワ氏の安全に懸念を示しつつ、マリとフランスの当局による徹底調査を強く求めた。

昨年10月には、2016年にガオ近郊で誘拐されたフランス出身の援助活動家の女性が解放されていた。

フランス政府はこれまで、人質のためにイスラム教徒のグループに身代金を支払うことはないと再三明言している。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。