国境で引き離された親子、3年ぶりの抱擁に涙 まだ千家族以上が再会できず 米

米国への移住を目指す過程で3年以上引き離されていた親子が涙の再会を果たした/Families Belong Together

2021.05.06 Thu posted at 15:40 JST

(CNN) 米国への移住を目指して国境にたどり着き、3年以上も離れ離れにされていたメキシコ人の親子が、このほど国境沿いで再会を果たした。

ブライアン・チャベスさんは母の日の風船を手に、国境へ向かった。母のサンドラ・オルティスさんと最後に会ったのは3年以上前。2017年、当局によって引き離された時、チャベスさんは15歳だった。もう二度と会えないかもしれないと思い、ついに再会できると聞かされても、まだ信じられなかった。

トランプ前政権は移民の流入を阻止する取り組みの一環として、数千家族を引き離した。チャベスさん親子もその中にいた。バイデン政権はそうした親子を再会させる取り組みを進め、このほど第一陣の4家族の再会が実現した。

国土安全保障省のアレハンドロ・マヨルカス長官は、この4家族の再会を大々的に発表していた。今回再会を果たしたのは、母親と息子や娘、別れた当時3歳だった子どもたちだった。

それでも支援団体によれば、まだ1000家族以上の再会が実現していない。同団体のアル・オートロ・ラド氏はツイッターに掲載した声明で「母親たちはメキシコで危険にさらされながら、3年以上も待っている」と述べ、「政治的意思の欠如」が再会を阻んでいると批判した。

再会を喜ぶブライアン・チャベスさん(左)と母のサンドラ・オルティスさん

アル・オートロ・ラド氏によると、チャベスさんは父とおじを麻薬犯罪組織に誘拐されて殺害され、組織に入るよう要求された。このため母のオルティスさんと共にメキシコのミチョアカンの自宅から逃げたという。しかし2017年10月、米国との国境にたどり着いた2~3日後に引き離され、オルティスさんは2週間後に送還されて、身を隠さなければならなかった。

チャベスさんは記者団に、「母と会えて、抱きしめることができるなんて、夢みたいで、悪夢の終わりのようだった」と語った。

引き離された家族の裁判を支援している米自由人権協会(ACLU)のリー・ゲラント弁護士はCNNの取材に対し、4家族の再会は歓迎するが、まだやるべきことはあまりに多いと強調する。

ゲラント氏はフィラデルフィアで4日に息子たちと再会を果たした別の母親の様子について、「言い表す言葉が見つからない」「胸が張り裂けそうだった。子どもたちはいつまでも母親を抱きしめ、全員が泣いていた」と振り返った。

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