米国人学生2人、イタリアでの警官殺害で有罪評決 無期刑言い渡し

ゲイブリエル・ナターレ・ヨース被告(左)とフィネガン・リー・エルダー被告(右)=4月26日、イタリア・ローマ/REMO CASILLI/POOL/AFP/Getty Images

2021.05.06 Thu posted at 10:27 JST

(CNN) イタリア・ローマの裁判所の陪審団は5日、麻薬取引の失敗に関連してイタリア人警官1人を殺害した罪で米国人学生2人に有罪の評決を下した。2人には無期刑が言い渡された。

フィネガン・リー・エルダー被告(21)とゲイブリエル・ナターレ・ヨース被告(20)は2019年7月に警官のマリオ・チェルチェロ・レガ氏を刺殺したとして起訴されていた。

検察は事件の状況を考えると、イタリア法の最高刑を被告2人に科すべきだと主張していた。イタリアに死刑はない。

レガ氏の妻、ロザ・マリア・エジリオさんは判決を受け、裁判官や弁護士、支援者に感謝の言葉を述べた。

エルダー被告の弁護士は、無期刑の求刑について、捜査の過程での「異常性」を考慮していないと主張。事実を実際に展開したのとは違う形で描き出していると述べていた。

事件現場の監視カメラに映った人物がヨース被告とエルダー被告とみられている

警察によると、レガ氏は19年7月26日午前2時ごろ、ローマのプラティ地区で8回刃物で刺され、同日夜に死亡した。現場は被告2人が滞在していたホテルの近くだった。

レガ氏は当時19歳のエルダー被告と18歳のナターレ・ヨース被告から盗難届の出ていたバックパックを奪い返そうとしたところ、2人に刺されたという。エルダー被告は刺したことを認めたものの自衛目的だったとしている。

警察によると、被告2人はローマのトラストベレ地区でコカイン1グラムではなく粉状のアスピリンを80ドルで購入。だまされたと気づいて、売人を紹介した男の元に戻り男のバッグを奪った。金を取り返して本物のコカインを入手するのが目的だったという。

警察はバッグの持ち主の男性から通報を受け、その後複数の警官が両被告と出会った。警官は武装しておらず、制服も着ていなかったという。

警察によると、警官だと名乗ったレガ氏らに被告2人が襲いかかってきたという。一方、被告は警官の方が先に襲いかかってきたと主張していた。

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