(CNN) 英ウェールズ北部で希少なタカの仲間の猛禽類ミサゴが営巣していた柱が何者かに切り倒される事件があり、警察が捜査に乗り出した。ミサゴの巣は、産まれたばかりの卵とともに、湖に投げ出されていた。
ウェールズのブレニグレイク貯水池にあったミサゴの巣は、現地時間の4月30日午後9時45分ごろ破壊された。台座にはカメラが取り付けてあった。巣の中の卵はこの前日に産まれたばかりだった。
ノースウェールズ警察の5月1日のツイッターによれば、容疑者は船で巣に近づき、約3分かけて柱を切り倒したと思われる。警察が公開した映像にはチェーンソーの音が収録されていた。卵は落下して破壊された。
捜査当局は犯行の動機を突き止めようとしていると説明、現地の防犯カメラの映像を調べるとともに、一般からの情報提供を募っている。
「鳥たちは大勢の人を喜ばせてくれていた。なぜこんなことをする人がいるのか理解できない」と捜査員もショックを受けた様子だった。
ミサゴは英国では極めて希少で、保護団体によると繁殖期のつがいは同国内で約300組しか確認されていない。ウェールズではわずか数組のみだった。
ミサゴと卵は同国の法律で保護されており、違反すれば6カ月以下の禁錮や5000ポンド(約76万円)の罰金が科せられる。
保護団体はミサゴのつがいが新しい巣をつくれるよう、別の台座を準備した。ブレニグレイク観光局の責任者はCNNの取材に対し、「2羽は元気な様子で、侵入してきたミサゴを追い払っていた」「私たちが今日、このつがいのために設置した巣の近くに姿を見せたので、この巣を使って卵を産んでくれることを期待している」と説明している。