(CNN) 米日用品大手コルゲートが、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のスピンアウト企業「リキグライド」と組み、滑りやすいコーティングで中身の歯磨き粉を最後まで絞り出せるチューブを開発した。廃棄物を一切出さないようにするのが狙いだ。
MITバラナシ・リサーチ・グループから独立したリキグライドは2012年、ケチャップの容器が完全に空になる様子を収めた動画を公開し、話題を呼んでいた。コルゲートの新たな歯磨き粉「エリクサー」でも、この滑りやすいコーティング技術を使うことで摩擦のない状態にしている。
リキグライドによると、ローションから洗濯洗剤まで数百万トンの製品が毎年、容器内に中身がくっついたまま捨てられている。歯磨き粉の場合、チューブ1本につき1~13%が廃棄されるという。
リキグライドは自社技術により、こうした廃棄物の量を減らしたい考え。滑りやすいコーティングは容器の内容物に合わせて設計したものを使う。
コルゲートは今のところ、特別コーティングを施したチューブを欧州でのみ販売している。米国での発売予定があるかは不明。
リキグライドの共同創業者クリパ・バラナシ氏は、「当社は歯磨き粉の容器に変革をもたらしている。歯磨き粉はもう1世紀以上、チューブに入れられてきた」と語る。
こうした製品が購入可能になるのは初めてだが、バラナシ氏ともう1人の共同創業者デーブ・スミス氏はCNNの取材に、同社の技術はローションからクリームチーズまであらゆる製品に活用できると説明。製品の種類にかかわらず安全に使用できるものになるとしている。
スミス氏によると、食べ物の場合、コーティングは米食品医薬品局(FDA)によって承認された無味無臭の食品成分でつくられる。健康・美容製品のコーティングについても、こうした製品の通常の原料から製造されるという。