丸腰の男性、保安官代理に撃たれ重傷 自宅まで送ってもらった1時間後 米

保安官代理に撃たれたアイゼイア・ブラウンさん(32)/Courtesy The Cochran Firm

2021.04.26 Mon posted at 13:03 JST

(CNN) 米バージニア州で、丸腰の男性が保安官代理に銃で撃たれて重傷を負う事件が起きた。バージニア州警察によると、この保安官代理はその1時間ほど前に、男性を車で自宅まで送っていったばかりだった。

保安官代理に撃たれた男性はアイゼイア・ブラウンさん(32)。弁護士によれば、911の緊急通報電話をしている最中に、保安官代理がコードレス電話を銃と勘違いして発砲したという。

バージニア州警察の発表によると、事件は21日に発生した。ブラウンさんは重傷を負って病院に運ばれたが、命に別条はないという。事件についてはスポットシルベニア郡保安官事務所の要請を受け、犯罪捜査当局が捜査に当たっている。

州警察によれば、スポットシルベニア郡保安官代理は事件前、「障害のある運転手」に関する通報を受けて、車でブラウンさんをガソリンスタンドから自宅まで送っていた。

23日にはボディーカメラの映像や、911の緊急通報の音声が公開された。これに先立ちブラウンさんの家族も保安官事務所や事件を担当する特別検察官の招きでこの映像と音声を確認している。

ブラウンさん側の弁護士は、「銃撃は完全に避けられたはずだった」と強調、ブラウンさんは銃撃された時、911に電話をかけていて、手に持っていたコードレス電話を保安官代理が銃と勘違いしたと話している。

ボディーカメラの映像の中で、保安官代理はブラウンさんが銃を持っていると言い、「銃を捨てろ。こっちへ来るな。止まれ。止まれ」と叫んでいた。

バージニア州警察の広報は、銃撃された時、ブラウンさんが武器を持っていなかったことを確認し、「問題の保安官代理は複数の基本的な過ちを犯し、定められた手順に違反した」「保安官代理はアイゼイアさんから50フィート(約15メートル)近く離れていて、脅かされていたわけではなく、武器を使うべきではなかった」と話している。

米国では黒人が警官に射殺される事件が後を絶たず、警察に対する批判が高まっている。ブラウンさんも黒人だった。

保安官によると、保安官代理は休職扱いとなっている。

保安官代理に撃たれたアイゼイア・ブラウンさん(32)

バージニア州警察の発表によると、発砲事件が起きたのは現地時間の21日午前3時20分ごろ。保安官代理がブラウンさんを車で自宅まで送った約50分後だった。

保安官代理は「家庭内事案」の通報を受けて、ブラウンさんの自宅に駆け付けた。

911に電話をかけたブラウンさんは、兄弟の1人と口論していた。ブラウンさんがこの兄弟に銃を要求して兄弟が拒む場面もあり、ブラウンさんは通信指令係に、兄弟を殺してやると言っていた。

銃を持っているのかと尋ねられたブラウンさんは、肯定したり否定したりしていた。やがてブラウンさんが家の外に出るとサイレンの音が聞こえ、通信指令係はブラウンさんに「手を挙げなさい」と指示している。

現場に到着した保安官代理のボディーカメラはブラウンさんの方に向いていなかったが、道路にいるブラウンさんを保安官代理が見つけた様子が映っていた。車から降りた保安官代理はブラウンさんに対し、両手を見せて銃を捨てろと繰り返し、「彼は銃を自分の頭に向けている」と言って「銃を捨てろ」「こっちへ来るな」と叫び続け、続いて数発の銃声が聞こえた。

保安官代理は銃を捨てろと言い続けた後、ブラウンさんの応急措置をしていた。ブラウンさんの姿はぼやけてよく見えなかった。

家族の弁護士は24日、ブラウンさんが10回撃たれていたことが医療記録から分かったと話している。

丸腰の男性、保安官代理に撃たれ重傷

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。