(CNN) オランダのロッテルダムで先週、全長94メートル、左舷から右舷までの幅約13.6メートルの巨大スーパーヨットが曳航(えいこう)されて狭い運河を通過する出来事があった。写真家のトム・ファン・オサネン氏がぎりぎりの通過の様子を撮影した。
このスーパーヨットは「プロジェクト817」という仮称で、オランダの造船所フィードシップ社によって建造された。撮影時はカーグ島の施設から北海に向かうところだった。
一連の写真には、人々が驚きの表情で見守る中、タグボートで曳航されたスーパーヨットが住宅や教会の脇を通り抜ける様子が写っている。
オサネン氏によると、毎年約4~6隻のスーパーヨットがこのルートを抜けて、通常アムステルダムで行われる海上試験に向かうが、プロジェクト817ほど巨大なものは少ないという。正式進水時の船名は「ビバ」になる公算が大きい。
オサネン氏はCNNの取材に「(運河通過は)いつも大変な作業になる」「みんな見るのが大好きです」と語った。
しかし、こうした曳航作業は地上でも水上でも大渋滞につながる。もし歯科医の予約を取っていたらという質問に、「それは間に合わないだろう」とオサネン氏。「橋を通るのに1時間かかることもある。オランダの交通量ではすぐに渋滞してしまう」
カーグ島は内陸部にあるフィードシップの造船所2カ所のうちの一つ。つまり同島から納品されるヨットはいずれも、今回と同じ方法で苦労して曳航しなくてはならない。
フィードシップによると、輸送時間は風や橋のスケジュールなど複数の要素に左右され、2~4日かかる。プロジェクト817の輸送には約4日を要したという。
巨大スーパーヨット、狭い運河をぎりぎり通過 オランダ