消息不明のインドネシア潜水艦、酸素尽きるのは24日 捜索急ぐ

インドネシア軍が21日に公開した潜水艦「KRIナンガラ402」の画像。撮影日時は不明/Reuters/Indonesian Navy Handout

2021.04.23 Fri posted at 07:49 JST

ジャカルタ(CNN) 乗組員53人を乗せたインドネシアの潜水艦が消息を断った。軍は艦内の酸素は24日に尽きる見通しだとしており、懸念が高まっている。

潜水艦は21日、軍事演習中に消息を絶った。海軍のユド・マルゴノ参謀総長は、艦内にはこの時点から計算して72時間分の酸素があるとの見方を示した。

潜水艦はドイツ製の「KRIナンガラ402」。当局によると、現地時間21日午前3時に潜航の許可を求めた後、交信が途絶えた。マルゴノ氏によれば、潜水艦はこの直前、バリ海峡での訓練の一環として実弾魚雷1発、訓練用の弾頭を積んだ魚雷1発を発射していたという。バリ海峡はジャワ島のバリ島の間の海域で、インド洋とバリ海をつないでいる。


潜水艦はインド洋とバリ海をつなぐバリ海峡での訓練に参加していた/Source:Indonesian Ministry of Defense Graphic:Henrik Pettersson

演習参加前の潜水艦の状態を聞かれ、マルゴノ氏は、同艦も乗組員も準備状況は良好だったと説明。同艦は直近では昨年、ジャワ島の港湾都市スラバヤで整備のためドック入りしていたという。

潜航地点付近を空から監視した結果、油の流出が確認されており、軍は同艦のものとの見方を示している。深さ50~100メートルには磁気反応する1つの物体が見つかっており、これが不明潜水艦の可能性もある。

マルゴノ氏によると、油の流出要因としては、深く潜航しすぎて潜水艦のタンクから油が漏れた可能性、潜水艦が浮上しようとして艦内の液体を排出した可能性の2つが考えられる。

インドネシア海上警察の船も捜索に参加

インドネシア海軍の報道官によれば、同艦は最大で水深500メートルまで潜航する能力を持つものの、当局者の推定では、今回はこの水深より100~200メートル深く潜航した。

音波探知機を備えた複数の船舶が現場海域で海底の様子を探っている。

軍の声明によると、KRIナンガラ402は排水量1395トン。1977年にドイツのホバルツベルケ・ドイツ造船(HDW)によって建造され、81年にインドネシア海軍に加わった。

同艦は韓国で2012年に2年間に及ぶ改修を完了している。


インドネシア海軍の潜水艦KRIアルゴロも捜索に参加=22日/Eric Ireng/AP

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