(CNN) 米オハイオ州コロンバスで刃物を持った黒人の少女が警官に射殺された事件で、警察は21日、警官のボディーカメラがとらえた追加の映像を公開した。
アンドルー・ギンサー市長は記者団に対し、「まだ全容が明らかになったわけではない。だが16歳の少女が死亡したことは分かっている」と述べ、関与した警官が間違っていたのかどうかは州の捜査当局が判断すると強調した。
警察によると、少女に発砲したのはニコラス・リアドン警察官。2019年12月に採用された。捜査が行われる間、現場での職務からは外されている。
今回の事件は、警察による武力行使に対して全米で抗議の声が強まっているタイミングで発生した。オハイオ州コロンバスでは、47歳の黒人男性が射殺された事件に関連して元警官のアダム・コイ被告が起訴されている。
21日午後には抗議の市民らが集まり、オハイオ州立大学の学生などが「ブラック・ライブズ・マター」「手を挙げろ。撃つな」などと叫びながらコロンバス市内を州議会議事堂に向けてデモ行進した。
母親や地元当局によると、死亡した少女はマカイア・ブライアントさん。警官のボディーカメラの映像には、若い女性ともみ合いになったブライアントさんが、ナイフを手に持つ様子が映っていた。現場に駆け付けた警官は、2人目の女性を刺そうとするように見えたブライアントさんに向けて発砲した。
警官が4回発砲した後、現場にいた男性はこの警官に向かって「彼女は子どもだ」「馬鹿なことを」と言っていた。
ブライアントさんは地面に倒れ、傍らにはナイフが落ちていた。
発砲した警官が、「彼女は女性にナイフで襲いかかっていた」と話す声も収録されている。
現場にいた3人の警官のボディーカメラの映像によると、ブライアントさんは右手にナイフを持って、ピンク色の服を着た女性に襲いかかり、振り向いた女性を刺そうとするように見えた。そこへ銃声が聞こえた。
マイケル・ウッズ警察署長代行によれば、警官たちはすぐに蘇生措置を行い、救急隊が6分後に到着した。
ボディーカメラの映像では、警官の1人が蘇生措置をしながら少女に向かって「しっかりしろ」と話しかけ、その場にいた人たちに少女の名前を尋ねると、「しっかしりろ、マカイア」と呼びかけていた。
当局は市民に対し、事実関係が全て明らかになるのを待ってほしいと呼びかけている。
ウッズ警察署長代行は記者団に対し、「(警官が)殺傷力を行使している人物に直面した場合、殺傷力で対応できる」と説明した。
黒人少女射殺事件、警官のボディーカメラ映像公開 米オハイオ州