(CNN) アフリカ北部チャドの軍は20日、国営テレビに対し、同国で長期政権を築いたイドリス・デビ大統領が死亡したと明らかにした。ただでさえ不安定なこの地域はさらなる危機に陥りそうだ。
デビ氏は北アフリカにおけるイスラム主義民兵組織の制圧で欧米諸国と長年協力してきた。
軍報道官は国営テレビに対し、デビ氏は「前線で負った傷が原因で」死亡したと説明。ロイター通信によると、同氏は北部で反政府勢力と交戦中の部隊を訪問していたという。
チャドでは前日、デビ氏が今月上旬の選挙で連続6選を確実にしたとの発表があったばかりだった。
反政府勢力は2016年からデビ氏の追い落としを図り、ここ1週間で何度も勝利宣言していた。週末には北部で複数の衝突が報告されていた。
16日には反政府勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」が北部の駐屯地を制圧したと発表する一方、政府はこの主張を否定し、反政府勢力は敗走したと説明。FACTは19日、デビ氏は負傷して逃走中だと述べていた。
軍報道官は声明で「国と国民への誓いに忠実だった元帥にして共和国大統領、国家元首、軍最高司令官のイドリス・デビ・イトノはたった今、戦場で主権国家を守りながら最期の息を引き取った」と説明。死亡日は20日だったとした。
今後は軍の暫定評議会が18カ月にわたって政権を担う方針で、暫定評議会の大統領にはデビ氏の息子である軍将官のマハマト・カカ氏が就任するという。
チャドのデビ大統領が死亡、前線での衝突で