ラウル第1書記が退任、カストロ家の統治に幕 キューバ

キューバ共産党トップのラウル・カストロ第1書記が退任を表明した/Ernesto Mastrascusa/LatinContent Editorial/Getty Images

2021.04.17 Sat posted at 11:20 JST

(CNN) キューバ共産党トップのラウル・カストロ第1書記は16日、同役職からの退任を表明した。長年キューバのかじ取りを担ってきたカストロ家の時代に幕が下りた格好だ。

ラウル氏は3年前、2021年に共産党トップから退任する考えを表明。この時点では間違いなく、キューバ経済の足場が固まり、新世代の指導部への移行がほぼ完了する未来を思い描いていただろう。

だが、事態はラウル氏の計画通りに運んでいない。

ラウル氏が退任を表明した今、キューバは深い危機の中にある。観光に依存する同国は新型コロナウイルス禍で打撃を受けており、政府の試算によると、経済は昨年少なくとも11%縮小した。国民は減る一方の食料や医薬品などを求めて、毎日数時間も長蛇の列に並んでいる状況だ。

キューバ当局はコロナ感染拡大抑止に全力を挙げてきたものの、感染者数は過去最多の水準にある。頼みの綱は国産ワクチンの開発だが、開発に成功するかどうか判明するのは数カ月先になる公算が大きい。

米国との関係が冷え込む中でコロナ禍が直撃し、キューバは不安定な状況に陥っている

オバマ元米大統領の時代、ラウル氏は長年こじれていた米・キューバ関係の修復に乗り出した。だが、トランプ政権がここ数十年で最も厳しい水準の経済制裁を実施したことで、関係改善は泡と消えた。

キューバ指導部にここ数十年最大の変化が起きる中でも、現米大統領のバイデン氏は今のところ関与に消極的な姿勢を示している。

キューバを社会主義国家に変貌(へんぼう)させ、ついに権力の掌握を緩めた革命世代。その世代の最後の生き残りにとってこれ以上不安定な時期を想像するのは難しい。

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