(CNN) 地球温暖化の影響で、インドのモンスーンの降雨の変動がこれまでの予想を超えて加速しているという研究結果を、ドイツのポツダム気候影響研究所が発表した。世界の気温が1度上昇するごとに、モンスーンの降雨量は5%増える可能性があるとしている。
インドのモンスーンの降雨は、世界で2番目に人口が多い同国の食糧生産を支えている。しかしこのまま温暖化が続けば同国の農業に悪影響を及ぼす恐れがあると研究チームは予想する。
さらに、モンスーンの降雨量増加だけでなく、最も降雨が必要とされる時期に乾燥した天気が続くといった降雨の可変性も影響を及ぼす可能性がある。
インドの農業は同国の年間国内総生産(GDP)のほぼ20%を占め、国民の健康に「重要な役割」を果たしていると報告書は指摘。このままの気候変動が進めば、モンスーンの季節はさらなる混乱に見舞われ、農業に悪影響を及ぼしかねない。
例えばコメは降雨量の変化によって大きな影響を受けやすい。作物は特に最初の生育期の間に降雨を必要とするが、1度に降る量が少なすぎたり多すぎたりすれば作物に被害が出ることもある。
専門家が懸念しているのはこうした形の気候変動性だ。
インドの農家は毎年6月に南西モンスーンと呼ばれる雨季が始まり9月に終わることを想定している。この時期になると不規則な大雨が続き、洪水管理システムが圧倒されて洪水が頻発する。
農業政策の専門家はCNNに対し、農業はこの気候変動性に順応する必要があるとしながらも、具体的にどうすべきかはまだ分からないと指摘、「気候がどう変動するのかが分からない。豪雨のあとに干ばつやサイクロンが続くこともあり、一様ではない。これは農業にとっても経済にとっても多大な問題を生じさせる」と話している。