(CNN) オーストラリアの東海岸をスケートボードで北上し続けた男性が、数カ月かけて目的地のケアンズに到着した。
豪南東部ニューサウスウェールズ州にある鉱山の町、ブロークンヒルに住むトム・ドルーリーさん(28)は昨年末、東海岸南端のメルボルンをスケートボードで出発した。
パンデミックで家にこもる生活から抜け出そうとスケートボードで遠出を繰り返すうち、海岸沿いを北上する冒険を思い立ったという。
3日後にはすっかり疲れて後悔を感じ始めたが、かつて働いたダイヤモンド鉱山での過酷な作業を思い出し、時間をかけて体を慣らすことにした。
高速道路沿いをトラックに追い越されながら、毎日50~100キロ進んだ。道中のメッセージでは「ボードから落ちたのが2回、ひどいすり傷3回、毒ヘビを踏みそうになったこと4回、警察との遭遇5回、熱中症になりかけたこと6回」と数え上げた。
不審者として警察に通報されたこともある。放っておいてほしい時は募金への協力を頼むのがいい、そうすれば必ず離れて行くからと、対処法を披露する。
気温は平均33度前後だったが、中盤ではさらに厳しい暑さに見舞われた。それでも100キロの体重が減らなかったのは、走った後のビールのせいかもしれない。
東南アジアで唯一スケートパークがないというラオスにパークを建てるため、実際に募金を呼び掛けて目標額を達成した。世界各地のジャーナリストからインタビューも受けた。
この先再び挑戦するつもりはないという。世界にはもっと長距離を走破したスケーターがいて、ギネスブックに載ることもないだろう。
とはいえ、この旅が世界から注目を集め、一生消えることのない思い出になったことは確かだ。
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