市警トップ、フロイドさんの制圧方法は「不適切」 米黒人圧迫死

ショービン被告の制圧方法は「不適切」だったと、市警の本部長が証言した/Pool

2021.04.06 Tue posted at 21:15 JST

(CNN) 米ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官の暴行で死亡した事件の裁判で、同市警のトップは5日、被告がフロイドさんを制圧したやり方について、警察の方針に違反する不適切なものだったと強調した。

ミネアポリス市警のメダリア・アラドンド本部長は裁判で証言し、フロイドさんが抵抗をやめ、間違いなく苦しんで何か言おうとした時点で制圧行動は打ち切るべきだったと述べた。

事件発生当初はフロイドさんの制圧を試みる合理性が認められるものの、それは最初の数秒間だったとし、その後フロイドさんが動かなくなった状態であれだけの強度の制圧行動を継続するのは本来の方針に沿うやり方では全くないとも指摘。そのうえで「警察の訓練内容には含まれておらず、我々の倫理や価値観に合うものでもない」との認識を示した。

とりわけ被告がフロイドさんの首を9分29秒にわたりひざで押さえつけた行為は、「事態の鎮静化」には当たらないとし、「生命尊重」などの原則、価値観に反すると述べた。

ミネアポリス警察の当時の方針では状況により首への圧迫を認めていたが、アラドンド本部長は被告がフロイドさんを押さえつけている画像を見ながら、この場合は適切な措置ではなかったと明言した。

フロイドさんの死因について証言するブラッドフォード・ランゲンフェルド医師

昨年ミネアポリス市警の訓練担当責任者を務めたケイティ・ブラックウェル警視正も同日、証言台に立ち、警官らが首への圧迫には腕を使うよう教えられていたと述べた。被告についても、護身術と適切な実力行使の方法を定期的に指導されていたと証言した。

一方、弁護士側は被告の行動が警察での訓練の範囲内であり、適切に実力を行使したものだと主張している。

フロイドさんを病院で治療した医師も5日に証言し、フロイドさんの死因は窒息だった公算が大きいとの見方を示した。

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