(CNN) エジプトのカイロで3日、古代ファラオ(王)のミイラ22体を車両に乗せて市内をパレードするイベントが行われた。22体はタハリール広場に近いエジプト博物館から、フスタートに新設された国立エジプト文明博物館に移設された。
エジプトの歴史を華々しく祝いながらミイラの引っ越しを行う「ファラオの黄金のパレード」はエジプト観光・考古省が企画。ラムセス2世やセティ1世、セケンエンラー、トトメス3世など18人の王と4人の女王のミイラが、石棺や副葬品とともに運ばれ、馬車や馬を伴ってナイル川沿いに新しい施設を目指した。
パレードでは21発の礼砲が鳴り響き、軍の音楽隊が演奏を奏でた。特別な装飾を施された車両は、古代エジプトの象形文字とアラビア語でそれぞれの王や女王の名が刻まれていた。
引っ越しに当たっては48人のチームが準備を進めた。同チームを率いた専門家によると、ミイラは無酸素の窒素カプセルに入れ、湿気が入って細菌や菌類、昆虫などに損傷されることがないよう気を配ったという。
カプセルは柔らかい素材で包んで輸送中の圧力や振動を軽減した。
エジプト文明博物館の展示室も窒素カプセルと同じ状態を保ち、展示室に移す作業は衝撃を与えないように慎重に行う。
ミイラはそれぞれ石棺や副葬品と一緒に展示される。また、CTスキャンの画像で布の下の状態や王たちを襲った骨折や疾病なども見えるようにする。
古代ファラオのミイラ22体を車両に乗せて市内をパレード/Khaled Desouki/AFP/Getty Images