フランス全土で規制強化、感染拡大で「制御不能」に陥る恐れ

フランスのエマニュエル・マクロン大統領=3月30日、フランス・パリのエリゼ宮(大統領府)/LUDOVIC MARIN/AFP via Getty Images

2021.04.01 Thu posted at 10:24 JST

パリ(CNN) フランスのエマニュエル・マクロン大統領は3月31日、国民向けのテレビ演説を行い、新型コロナウイルス対策規制の強化を発表した。国が「新しい方向性」を打ち出さなければ「制御不能」に陥る恐れがあるとの危機感を示している。

新たな規制は4月3日から始まり、少なくとも1カ月間継続する。「限定的なロックダウン(都市封鎖)」措置に基づき引き続き夜間の外出を禁止して国内の移動を制限、国民には在宅勤務を要請する。幼稚園・保育園や初等・中等学校は少なくとも3週間休校とする。

マクロン大統領は英国で見つかった変異ウイルスについて、「流行の中の流行」を発生させており、感染力も致死性も強いと指摘した。

集中治療室(ICU)に入院している新型コロナウイルス患者は65歳未満の年齢層がほぼ44%を占めている。フランスはこれまで「適切な選択」を行ってきたとマクロン大統領は強調、この数週間でワクチンが「加速」して「状況が変わっている」と言い添えた。

ICUで新型コロナ患者の治療を行う医療従事者ら=2020年4月9日、パリ北部のフランコ・ブリタニック病院

フランスはこれまで、欧州のほかの国のような全土のロックダウンには踏み切らず、科学協議会の勧告に反して地域的な規制にとどめてきた。

しかし今回、これまで国内19地域で実施していた厳格な規制をフランス全土に拡大し、3日から4週間継続する。

学校は段階的に再開する計画で、幼稚園や小学校は4月下旬から、中学と高校については5月3日から再開するとした。

フランス保健省によると、3月30日の時点で病院で治療を受けている新型コロナウイルス患者は2万8000人以上。うち5072人がICUに入院している。ICUの入院患者が5000人を超えたのは、昨年4月以来だった。

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