ロシア反体制派指導者、刑務所でハンスト開始 医療受けられないと訴え

ナバリヌイ氏がハンガーストライキを開始すると発表した/Kirill Kudryavtsev/AFP/Getty Images

2021.04.01 Thu posted at 10:00 JST

モスクワ(CNN) ロシア反体制派指導者アレクセイ・ナバリヌイ氏は3月31日、自身のインスタグラムを通じて、収監先の刑務所が適切な医療の提供を拒否しているとして、ハンガーストライキを開始すると発表した。

ナバリヌイ氏は「私には医師を呼び薬を受け取る権利があるが、どちらも認められていない。背中の痛みは脚に移り、右脚の一部、そして今左脚も感覚を失っている。冗談抜きで不快に感じる」と述べた。

ナバリヌイ氏はウラジーミル州ポクロフ第2刑務所の幹部に宛てた手書きの書面で、ハンガーストライキをすると伝えた。この書面はインスタグラムでも共有されている。

同氏の弁護士の1人は先週、同氏が背中に激痛を感じ、歩行に支障をきたしていると発言。また「睡眠妨害による拷問」で体調が悪化しているとも主張した。

ナバリヌイ氏も「医療支援を受けられるどころか、睡眠妨害(彼らは夜に8回起こしてくる)で苦しんでいる」と31日の投稿に記した。

ロシアの医師のグループは、刑務所に対し外部の医師による診察を許可するように求めるインターネット上の嘆願を開始した。

ロシアの刑務所運営者は31日、ナバリヌイ氏は必要なすべての医療を受けていて、他の受刑者と同様に扱われているとの声明を出した。また睡眠妨害にも触れ、刑務所職員は受刑者の8時間連続睡眠の権利を厳格に守り、夜間に所在を確認するために巡回をしても休息を妨げないようにしていると述べた。

ナバリヌイ氏が移送されたウラジーミル州ポクロフ第2刑務所

政府批判や腐敗を指弾するナバリヌイ氏は、プーチン政権にとっての悩みの種となってきた。身の安全への懸念が上がる中、昨年8月には神経剤ノビチョクによる毒殺未遂で生死の境をさまよった。

CNNと英調査報道機関ベリングキャットの共同調査では、ロシア連邦保安局(FSB)が毒殺を図ったと示唆されている。ロシアは関与を否定しているが、ナバリヌイ氏本人を含む複数の西欧当局者がロシア政府を非難している。

ナバリヌイ氏は今年1月、毒殺未遂後に搬送されたドイツから帰国し、直後に拘束された。2014年に詐欺罪で執行猶予付きの刑を言い渡されたが、ドイツ滞在中に出頭の条件を守らなかったとして、実刑への切り換えを言い渡されていた。

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