9歳女児に手錠かけ催涙スプレー、警察の対応に非難 米NY州

「家庭内トラブル」の通報を受け出動した警官ら/Rochester PD

2021.02.02 Tue posted at 10:18 JST

(CNN) 米ニューヨーク州ロチェスターで、「家庭内トラブル」の通報を受けて駆け付けた複数の警官が、9歳の女の子に手錠をかけて催涙スプレーを浴びせる事件があった。

事件が起きたのは1月29日午後。警察は31日、この時の様子をとらえたボディーカメラの映像2本を公開した。映像では複数の警官が子どもを取り押さえて手錠をかけ、警察車両の後部座席に乗せようとしており、子どもは何度も泣き叫んで父親に助けを求めていた。

警官は、車に乗るようにという指示に女の子が従わなかったため、催涙スプレーを浴びせた。女の子はその後、市内の病院に運ばれた。

市当局の発表によると、この事件にかかわった警官数人は2月1日に停職処分になった。

今回の事件は、ロチェスター警察に取り押さえられた黒人男性が死亡した昨年3月の事件に酷似していた。この時は精神衛生問題をかかえた男性を警官が地面に押さえつけ、頭にフードをかぶせていた。

ロチェスター警察のシンシア・ヘリオットサリバン局長代行は1月31日の記者会見で、女の子に対する警察の扱いは容認できないと述べ、「こうしたことが二度と起こらないよう努めなければならない」と語った。

同市のラブリー・ウォーレン市長は「私には10歳の娘がいる」と告白、「母親として、こんな映像は見たくない」「こんな風に苦しんで、父親に助けを求めている子どもを見ると、その顔に自分の子どもの顔が重なる」と訴えた。

警察の31日の発表によると、29日午後に「家庭内トラブル」の通報を受けて民家に駆け付けた警官は、女の子には自殺願望があり、「自殺して自分の母親も殺したいとほのめかしていた」との説明を受けたという。

女の子が警官から逃げようとしたため、1人の警官が追いかけてなだめしようとした。

その後母親が現れて、2人が争う様子がボディーカメラの映像に映っていた。そこで警官がこの状況から子どもを引き離して、近くの病院に運ぶことを決めたという。

しかし女の子は警察車両に乗るのを拒んで「暴れまわり」、警官を蹴ったとされる。

ボディーカメラの映像には、女の子が警官たちに取り押さえられながら、何度も父親に助けを求めて泣き叫ぶ姿が映っていた。女の子は泣き叫びながら雪に覆われた地面に頭を押さえつけられ、手錠をかけられていた。

この映像の後半では、女性警官が女の子に「これが最後のチャンス。そうしなければ唐辛子スプレーが目に入る」と告げている。約1分後、別の警官から「今ここでスプレーを」と言われた女性警官は、催涙スプレーと思われる缶を振っていた。女の子は泣き叫び続けていた。

ニューヨーク州司法長官は2月1日のツイッターで、この事件に関する捜査に乗り出したことを明らかにした。「こうした実力や催涙スプレーの行使は決して子どもに対して行われるべきではない。(ロチェスター警察局の)抜本的な改革が必要なことは明らかだ」としている。

米警察、9歳女児に催涙スプレー 

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