肩から「リボン」を生やした恐竜の化石、ブラジルで発見

発見された恐竜の想像図/© Bob Nicholls/Paleocreations.com 2020

2020.12.17 Thu posted at 07:00 JST

(CNN) ブラジルで見つかった化石から、背中に沿って長い「たてがみ」を持ち、肩からはリボンのような構造物を生やしている恐竜が新たに発見された。

珍しい化石が発見されたのはブラジルで、羽があった証拠を示すこの種の化石が南米で見つかったのは初めて。研究者によれば、精巧な羽飾りは誇示行動に使われ、この恐竜が洗練された繁殖行動を行っていた可能性を示唆しているという。

中国科学院古脊椎(せきつい)動物・古人類学研究所の専門家によれば、事実と確認されれば、羽毛のある恐竜が南半球の大陸で発見されたのは初めてであることと、風変わりな構造物が比較的早い段階の恐竜にあったことの2つの点から重要な発見である可能性がある。

これまでも似たような構造物について一部の鳥のような形態の恐竜から報告されたことはあったが、リボンのような形状の構造物はしっぽについているのが普通だった。しかし、今回は肩についており、これは珍しいという。

この恐竜は1億1000万年前に生息していたとみられる。

現在生きている鳥の中でも、シロハタフウチョウのオスなどいくつかの種類は肩の部分に「装飾」がある。


シロハタフウチョウのオスは肩の部分に「装飾」羽がある/Cagan Hakki Sekercioglu/Moment RF/Getty Images

古生物学者は多くの恐竜には羽毛あるいは羽のような構造物があったと考えているが、今まではそうした証拠を示す化石の大部分は中国とドイツで発見されていた。

今回ブラジルで見つかった化石では、恐竜の背中に長くて太いたてがみが生えていたことが示された。たてがみは筋肉によって動かすことができ、脅威が迫ったときに立たせていたと考えられている。

ブラジルの古生物学者の一部は、珍しい化石が研究目的で国外に持ち出されることに反対の姿勢を示していて、今回の論文発表も問題視する声が出ている。

同論文の著者は、今回の研究対象はドイツのカールスルーエ自然史博物館のコレクションの一部で、1995年に輸出の許可が下りたものだと説明している。

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