英ロンドン、再びロックダウン厳格化 南東部ではコロナ変異種確認

英ロンドンが再びロックダウンを厳格化する/Simon Dawson/Bloomberg/Getty Images

2020.12.15 Tue posted at 12:13 JST

ロンドン(CNN) 英首都ロンドンで新型コロナウイルスの症例数が急増したことを受け、英国のハンコック保健相は14日、ロンドンで16日から再び厳格なロックダウン(都市封鎖)に入ると発表した。

ハンコック保健相によると、ロンドンおよびエセックス州の南部と西部、ハートフォードシャー州南部で16日午前0時から、警戒水準を「高い」としていたレベル2から、「非常に高い」レベル3に引き上げる。

最高レベルの規制の下、パブやカフェ、レストランを含む飲食店は全て、持ち帰りとデリバリー以外の営業を中止する。

住民は自分の居住地域から出ることを避け、外出の回数はできるだけ減らす必要がある。

英政府はこれまでにも感染拡大を封じ込めるための厳格な対策を講じてきた。

ロンドン市民は既に屋内で別世帯の人と会うことが禁止されているが、今後は個人の庭などで会うことも禁止される。屋外の公園や公共の庭園、スポーツ施設では6人までの集まりが認められる。小売店は引き続き営業できる。

ハンコック保健相によると、地域によっては7日ごとに症例数が2倍に増えており、学校の児童生徒だけでなく、60代以上を含む全ての年齢層で感染率が増加している。

ロンドンでは新型コロナの症例数が急増している

ロンドン、エセックス州、ケント州の病院は既に逼迫(ひっぱく)しつつあり、行動しなければ「圧倒される」とハンコック保健相は予想した。

ただし英国の居住者は、今月23日~27日までのクリスマス期間中は、3世帯までの集まりが認められる。

ハンコック保健相は、イングランド南東部で新型コロナウイルスの新たな変異種が確認されたことも明らかにした。

クリス・ウィッティ首席医務官は14日、この新しい変異種が症例数急増の原因になったのかどうかはまだ分からないと述べた。ウイルス遺伝学の専門家によると、変異は想定外の事態ではなく、既に何度も発生しているが、感染の拡大や患者の症状に重大な影響は出ていないという。

ハンコック保健相は、「現時点でこの変異種が深刻な疾患を引き起こす可能性が大きいことをうかがわせる兆候は何もない。この変異がワクチンに対して反応しない可能性は極めて低い」と指摘した。

ウィッティ首席医務官はその後開いた共同記者会見でも、これまでのウイルスより新しい変異種の方が危険性が大きいという証拠はないと強調した。新型コロナウイルス検査がこの変異種に対して有効なことも確認されたとしている。

同様の変異種はこの数カ月の間に他国でも見つかっているといい、英国も世界保健機関(WHO)に通知して、専門家が解析を続けている。

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