米モデルナ、ワクチン緊急使用申請 重症化防止100%のデータも公表

米モデルナが開発中の新型コロナワクチンの緊急使用許可をFDAに申請した/Health System/AFP/Getty Images/FILE

2020.12.01 Tue posted at 10:19 JST

(CNN) 米モデルナは11月30日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可(EUA)を申請した。臨床試験(治験)で重症化を100%防止できたとの最新データも公表した。

FDAは今月17日に開く諮問委員会で緊急使用を認め、米疾病対策センター(CDC)がその1~2日後に医療従事者など優先接種の対象を提言する見通し。モデルナは欧州医薬品庁(EMA)にも11月30日に申請するとの方針を示した。

モデルナは同時に、治験の最終段階に当たる第3相試験の最新データを公表した。

それによると、米国内で7月以降、約3万人に同社のワクチンまたは偽薬(生理食塩水)を投与したところ、ワクチン投与のグループで11人、偽薬のグループでは185人の新型ウイルス感染が確認された。このうち重症化したのは偽薬を投与された30人のみで、1人が死亡した。

同社はこのデータを基に、ワクチンの予防効果は94.1%、重症化防止の効果は100%と結論付けている。高齢者や人種的少数派にも同様の効果がみられたという。

モデルナの最高医療責任者(CMO)タル・ザックス博士は、28日夜に最新データを受け取って「初めて自分に泣くことを許した」と語り、「パンデミック(世界的大流行)の動向を変えることが十分に期待できる」と自信を示した。

モデルナは米国で年内に約2000万回分のワクチンを供給する予定

FDAの諮問委員を務める米ペンシルベニア大学のワクチン専門家、ポール・オフィット博士は「素晴らしいデータだ」と歓迎する一方、ワクチンを投与されても感染した患者らについて人種や年齢、基礎疾患の有無などを精査する必要があると指摘した。

モデルナは米国で年内にワクチン約2000万回分、全世界で来年中に5億~10億回分の供給を予定している。

新型ウイルスのワクチン開発では、米ファイザーも11月20日にEUAを申請。FDAの諮問委員会が今月10日にこれを審議することになっている。

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