トランプ氏が訴える「不正投票」、共和党重鎮ら擁護も一般議員は反論

トランプ氏が根拠を示さず訴えた「不正投票」について、共和党の各議員が見解を示した/Chip Somodevilla/Getty Images North America/Getty Images

2020.11.06 Fri posted at 18:20 JST

(CNN) 大統領選の票の集計で不正が行われているとの根拠のない見解を示したトランプ大統領について、米共和党の重鎮らからこれを擁護する発言が相次いでいる。対照的に一般の共和党議員は、トランプ氏への反論を口にしている。

トランプ大統領は5日夜、ホワイトハウスで会見し、合法的に投じられた票を集計すれば選挙の勝者は自分であるとの誤った主張を繰り返した。また「彼らは選挙を盗み取ろうとしている。結果を不正に操作しようとしている」と強調した。

会見後、連邦議会の上下両院で指導的立場にある共和党の複数の有力議員らは、トランプ氏の発言への支持を表明した。

上院司法委員会の委員長を務め、トランプ氏とも親しいリンジー・グラハム上院議員(サウスカロライナ州)はFOXニュースの番組に出演し、トランプ氏と同様に投票の不正に関する根拠のない主張を展開。「今晩ここにいるのは、トランプ大統領を支持するためだ」と述べた。

下院院内総務のケビン・マッカーシー氏(カリフォルニア州)はCNNのコメント依頼には応じなかったものの、やはりFOXニュースの番組でトランプ氏の見解に同調。不正行為は存在していると警鐘を鳴らし「すべての米国民は立ち上がるべきだ。不正を目撃した人は我々に教えてほしい」「黙って見過ごしてはならない。こんなことが目の前で起きるのを許すわけにはいかない」と訴えた。

今回の大統領選に関して、現在のところ大規模な不正を示唆する信頼に足る証拠は見つかっていない。

上院の共和党指導部の1人、ジョン・バラッソ氏(ワイオミング州)は声明で、「投票総数の更新が続くなか、米国民は公正かつ透明性のある選挙が行われているとの確信を得てしかるべきだ。大統領がすべての合法的な投票を確実に監視、集計しようとするのは正しい」と主張した。

マコネル上院院内総務はトランプ氏の会見への言及を控えた

ただミッチ・マコネル上院院内総務(ケンタッキー州)のほか、上院院内幹事を務めるジョン・スーン氏(サウスダコタ州)、ジョン・コーニン氏(テキサス州)、ロイ・ブラント氏(ミズーリ州)ら上院の共和党指導部のメンバーはいずれも、トランプ氏の今回の発言に関するコメントを控えた。

一方、上下両院に所属する共和党の一般議員の多くは、トランプ氏を名指ししない形で、同氏の根拠のない発言に異議を唱えている。

現行の任期を最後に下院議員を退く予定のウィル・ハード氏(テキサス州)は、ツイッターへの投稿で「現職の大統領が我々の政治プロセスを非難し、無数の米国民が発する声の合法性を証拠もなく疑うのは危険かつ誤りであるばかりでなく、この国がよって立つ土台そのものを毀損(きそん)する行為だ」と批判した。

同じく下院議員のアダム・キンジンガー氏(イリノイ州)は、「常軌を逸した話になっている」「不正に関するもっともな懸念があるというなら、証拠を出して裁判に持ち込めばいい」とツイートした。

不正の証拠があるなら提示するべきだという主張は、他の多くの共和党議員の間で共有されている。

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