大統領選まで9日 バイデン氏がリード維持、トランプ氏に追い上げの勢い見られず

米大統領選も最終盤に入ったが、民主党候補のバイデン前副大統領(右)が依然として支持率でトランプ大統領をリードしている/Getty Images

2020.10.26 Mon posted at 17:26 JST

(CNN) 米大統領選が9日後に迫るなか、逆転を目指すトランプ大統領に残された時間は尽きつつある。トランプ氏は依然、全米と激戦州の世論調査で民主党候補のバイデン前副大統領にリードを許す状況が続いている。

ただ、トランプ氏にとって最も懸念すべきなのは、2016年大統領選に比べ明らかに追い上げの勢いが足りない点だろう。4年前のこの時期には、クリントン元国務長官との差を急速に詰めていたが、今回の世論調査からこうした追い上げを見て取ることはできない。

バイデン氏は現在、全米規模の調査で約9~10ポイントのリードを保つ。重要なのは、バイデン氏の支持率が50%を超えていることだ。

一方、2016年大統領選の場合、この時期の状況は非常に流動的になっていた。当時はこの直前に、クリントン氏の私用メール問題をめぐる捜査を再開するとのコミー連邦捜査局(FBI)長官の書簡が発表されたが、今回はこれほどの波乱は起きていない。

2016年大統領選の9日前、クリントン氏の全米世論調査での平均リードは4ポイントほどに縮まっていた。大統領選まで21日間の時点では7ポイントの差を付けていたにもかかわらずである。クリントン氏の支持率は45%と低調で、トランプ氏には態度を決めかねている有権者を最終週で取り込む余地が大いに残されていた。

バイデン氏が勝つために今必要なのは、既に同氏支持に回っている有権者をつなぎ止めることだけだ。

ただ、前回との違いは全米規模の世論調査だけにとどまらない。22日の大統領候補討論会の後に行われ、25日に発表されたABCニュースとイプソスの調査によると、トランプ氏について「好ましい」から「好ましくない」を引いた好感度はマイナス22ポイントに落ち込んだ。

トランプ氏の好感度が差し引きマイナスになること自体は目新しい現象ではない。

より興味深いのは、バイデン氏の正味の好感度がプラス1ポイントになっている点だ。バイデン氏はこのところ、好感度が正味でプラスになる調査結果が相次いでいる。

一方、クリントン氏の場合、選挙前のこの時期、ほぼあらゆる調査で正味の好感度がマイナスに落ち込んでいた。つまり、クリントン氏を好きだという人よりも嫌う人の方が多かったということだ。

激戦州3州を対象にした25日発表のCBSニュースとユーガブの調査でも、トランプ氏に支持者が流れる傾向はほとんど見られない。調査の大半は22日の討論会の前に行われたが、完了したのは討論会後の24日だった。

ここで重要なのは、CBSとユーガブによる前回の調査と結果がほぼ変わらないことだ。

フロリダ州では、バイデン氏支持は50%、トランプ氏支持は48%だった。先月の時点では、バイデン氏支持が48%、トランプ氏支持は46%だった。

ジョージア州では、バイデン氏支持は49%、トランプ氏支持は49%。先月はトランプ氏支持が47%、バイデン氏支持が46%だった。

ノースカロライナ州では、バイデン氏支持は51%で、トランプ氏支持は47%となった。先月の時点では、バイデン氏支持は48%、トランプ氏支持は46%だった。

米大統領選も終盤に、バイデン氏がリードを保つ

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