新型コロナ急増の予想が現実に、再び病院逼迫や死者増大の懸念 米国

集中治療室で新型コロナの患者に処置を施す医療従事者=7月21日、米カリフォルニア州/Mario Tama/Getty Images

2020.10.14 Wed posted at 12:43 JST

(CNN) 米国で予想された通り、新型コロナウイルスの新規の症例が激増している。1月までには病院が逼迫(ひっぱく)して1日に数千人が死亡する可能性もあり、若者でさえも長期的な合併症を伴う場合がある。

米ベイラー医科大学国立熱帯医学校のピーター・ホッテズ学部長は13日、「1日当たりの新規症例は、9月初旬に最近としては最も少ない3万~3万5000例前後にまで減った。しかし今は1日当たり(約)5万例に戻っている。今後も増え続けるだろう」と予想した。

「誰もが懸念していた秋から冬にかけての急増が今、起きている」とホッテズ氏は述べ、現在はウィスコンシン、モンタナ、ノースダコタ、サウスダコタ州といった中西部から北部の州が中心だが、すぐに全米に拡大するだろうとの見方を示す。

米ジョンズ・ホプキンス大学によると、全米の30以上の州で、過去1週間の新型コロナウイルスの症例数が、その前の週を上回った。

米国の感染症対策を率いる米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアントニー・ファウチ所長は、特定の州で検査の陽性率が高いことに懸念を示し、今後症例数が急増する予兆かもしれないと指摘した。

新型コロナの検査を行う医療従事者=9日、米ウィスコンシン州

13日現在で、過去1週間の陽性率は全米平均で5.1%だった。しかしアラバマ、フロリダなど少なくとも13州では10%を超えている。

ファウチ所長は「(感染率は)3%未満、理想的には1%以下となることが望ましい」とした上で、多くの州でそれを大幅に超えていることから症例数は再び急増が予想されると指摘。それが入院患者や死者の増加につながることは、歴史が示しているとした。

もしこのままの状況が続けば、米国の冬は壊滅的な状況に陥る可能性もある。ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)によれば、米国では今後3カ月以内に13万5000人以上が死亡する可能性がある。

「この冬は、11月、12月、1月、2月にかけて、我々の流行における最悪の時期を迎えるかもしれない」とホッテズ氏は警告する。

新型コロナによる入院数は9日以来、少なくとも10州で過去最高を記録した。うちアーカンソーなど5州は12日に過去最高を報告している。

病院が再び逼迫すれば、新型コロナの患者だけでなく、他の疾患や事故といった急患への対応も困難になりかねないと専門家は危惧する。

入院数は全米で増加して12日には3万5072人に達し、1日当たりの人数も約2万8600人まで減っていた9月20日から、着実に増え続けている。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。