(CNN) 米南部に上陸したハリケーン「デルタ」の影響で、中部大西洋沿岸から北東部にかけての広い範囲で大雨が続き、12日までに4人が死亡した。
南部のルイジアナ州では、発電機に燃料を給油する際の火災で86歳の男性が死亡したほか、暴風雨による破壊で流出した天然ガスが原因と思われる火災で70歳の女性が死亡した。
フロリダ州では19歳と49歳の2人が引き潮に巻き込まれるなどして死亡した。
デルタはカテゴリー2のハリケーンとして10日、ルイジアナ州ピーカン島に上陸した。上陸から3日目の12日も、同州とテキサス、ミシシッピの各州で14万人以上が停電に見舞われている。
ハリケーン上陸後に電力の復旧に取り組む職員/Bryan Tarnowski/Bloomberg/Getty Images
メキシコ湾沿岸部から東海岸のサウスカロライナ州、ノースカロライナ州では10回の竜巻が報告され、ジョージア州では10日に発生した少なくとも2回の竜巻で2人が負傷した。
ジョージア州リルバーンでは豪雨の影響で列車が脱線して横倒しになり、一部で火災が起きた。消防によると、機関士や車掌が軽傷を負って病院に搬送された。
国立気象局によると、ジョージア州を襲った竜巻では2人が負傷したほか、ホームレスのシェルターが損壊して30人が避難した。
ジョージア州北東部やバージニア州西部、サウスカロライナ、ノースカロライナ州では豪雨による鉄砲水が発生する恐れがあるとして、国立気象局が警戒を促している。ニュージャージー州南部でも大雨の恐れがある。
ルイジアナ州南西部は、8月に同州を襲ったハリケーン「ローラ」で大きな被害が出たばかりだった。デルタの勢力はローラに比べると小さかったが、被害ははるかに大きかったとルイジアナ州のエドワーズ知事は指摘する。
被災地では道路の冠水や送電線の寸断などの被害が発生、11日現在も数百カ所の道路や35本の橋が封鎖され、信号も停電が続いている。