第1回大統領候補討論会、トランプ氏とバイデン氏が初の直接対決

29日(日本時間30日)に米大統領選の討論会1回目が行われる/Getty Images

2020.09.30 Wed posted at 10:51 JST

(CNN) 11月の米大統領選に向けて共和党のトランプ大統領と野党・民主党候補のバイデン前副大統領は29日(日本時間30日)、1回目となる討論会を行う。世論調査ではバイデン氏がリードしているほか、トランプ氏は米国で20万人の死者を出し、3000万人の失業保険申請につながった新型コロナウイルスへの対応で守勢となりそうだ。

第1回討論会はオハイオ州クリーブランドで開催され、FOXニュースのクリス・ウォレス氏が司会を務める。討論会は1時間半にわたり、CMによる中断はない。取り上げられるテーマは、「トランプ氏とバイデン氏の記録」「連邦最高裁」「新型コロナウイルス感染症」「経済」「我々の街での人種と暴力」「選挙の完全性」。

トランプ氏は選挙戦の流れを変えるようなパフォーマンスを見せる必要がありそうだ。米紙ニューヨーク・タイムズは先ごろ、トランプ氏が2000年からの15年間のうち10年間で連邦所得税を支払っていないと報じており、有権者はこの点についてトランプ氏からの説明を期待している。

討論会は3度開催されるが、トランプ氏にとって最初の討論会は2016年に民主党候補のクリントン元国務長官と対決したときよりもはるかに攻撃されやすい立場にいる。トランプ氏は当時、擁護するような大統領としての実績はなく、頻繁な中断と短い言い回しでクリントン氏をいらだたせた。その中には、トランプ氏がある討論会で語った、自分が大統領職に就いたらクリントン氏を「刑務所に入れる」というのもあった。

トランプ氏のバイデン氏を倒そうとする戦略はこれまでのところ、クリントン氏のときよりも成果を収めていない。トランプ氏はまた、バイデン氏に対するハードルを下げ、計算違いをしているかもしれない。トランプ氏は繰り返し、バイデン氏について、大統領としての精神的な鋭敏さに疑問を投げかけるなどしている。

トランプ氏が大統領職に就いて過半数の支持を得ている数少ない分野のひとつが経済だ。しかし、バイデン氏はここ数週間、経済について攻撃を始めている。今回の大統領選について、「パークアベニュー対スクラントンの戦い」と形容し、トランプ氏の裕福な不動産王としての経歴と、自身の労働者の街の生まれとを対比させている。

バイデン氏はニューヨーク・タイムズ紙によるトランプ氏の税に関する報道を使って、トランプ氏による中西部の接戦州における中間層や労働者の擁護者という主張を切り崩そうとする可能性が高い。バイデン氏はまた、トランプ氏による新型コロナウイルスの対応の不手際が経済の落ち込みにつながったと批判するとみられる。

トランプ氏とバイデン氏の討論会では、白人のブルーカラーの有権者、その中でも大学を卒業していない有権者を奪い合うことになりそうだ。白人で大学を出ていない有権者は2016年の大統領選ではトランプ氏が獲得したが、バイデン氏支持へと移りつつある。

トランプ氏はバイデン氏の47年にわたる政治家としての経歴を攻撃するとみられる。

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