(CNN) 1789年に米国の最高裁判所が誕生して以来、これまでに114人の最高裁判事がその任を務めてきた。そのうち108人が白人の男性だ。
しかし、次の最高裁判事は裁判所の多様性に変化をもたらすかもしれない。トランプ大統領はこのほど、ルース・ベイダー・ギンズバーグ判事の死去を受けて、エイミー・バレット連邦高裁判事を最高裁判事に指名した。指名に伴うバレット氏の公聴会は10月半ばに開催される見通し。
最高裁判事114人のうち110人が男性だ。これは96.5%の割合となる。
1981年まで最高裁判事は全員男性だった。しかし、レーガン大統領が女性を就任させると約束し、任期の1年目にこの約束を守って、サンドラ・デイ・オコナー氏を指名した。
これよりも前、大統領が下級裁判所に女性を指名することはあったが、最高裁判事に指名することを真剣に考えた人はいなかった。
クリントン大統領が1993年に2人目の女性最高裁判事としてギンズバーグ氏を指名した。
オバマ大統領は2009年にソニア・ソトマイヨール氏を、翌年にはエレナ・ケイガン氏を指名した。
ソトマイヨール氏とケイガン氏は最高裁判事としてとどまっている。ギンズバーグ氏の死去に伴い、最高裁判事は現在8人となっている。
アフリカ系(黒人)の最高裁判事は2人で、サーグッド・マーシャル氏とクラレンス・トーマス氏がこれまでのところその任に就いた。
最初の指名はジョンソン大統領がマーシャル氏を指名した1967年だった。トーマス氏は1991年にブッシュ(父)大統領が指名した。
ソトマイヨール氏は4人の女性判事のうちの一人であり、最初で唯一のヒスパニック系の判事でもある。ポルトガル系のベンジャミン・カードーゾ氏を最初のヒスパニック系の判事と考える人もいるが、カードーゾ氏は現在の国勢調査の基準を満たしていない。
アジア系や先住民、太平洋諸島の出身である最高裁判事はこれまでのところいない。
米国の大統領にユダヤ系はいないが、最高裁判事にはこれまで8人のユダヤ系が就任した。
創設時はほぼ全ての判事がプロテスタントだった。114人全員をみても、プロテスタントが過半数を占める。
現在は最高裁判事のうち5人がカトリック教徒だ。これまでのところ、イスラム教徒の最高裁判事はいない。
過去も現在も公に異性愛者と明らかにした判事しかいない。終生独身だった判事数人にはうわさがつきまとったが、そうした人たちが同性愛者だったという証拠はない。
最高裁判所は多様なテーマについて判断を下し、多彩な事例を扱う。同性婚に関するものなど判事全員が直接関係ない案件も審理することがある。
ソトマイヨール氏は2016年、最高裁がより多くの多様性を活用できるだろうと指摘した。
「異なった見方があることで、目の前の議論についてより完全に理解することができるようになり、全ての人たちが理解できる方法で自分の立場をはっきりと伝えることにつながる」(ソトマイヨール氏)