欧州の状況は「極めて深刻」、再び感染が急拡大 WHO

PCR検査を行う医療従事者=9月2、スペイン/Gari Garaialde/Getty Images

2020.09.18 Fri posted at 14:30 JST

(CNN) 世界保健機関(WHO)は17日、欧州で新型コロナウイルスの症例数が急増しており、欧州全土で「極めて深刻な状況」が展開されていると指摘した。

各国は感染拡大の第2波を食い止めるために規制を厳格化したり、再度のロックダウン(都市封鎖)を検討したりするなどの対応に乗り出している。

しかしWHOのハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は17日の記者会見で、事態は今後一層深刻化するとの見通しを示し、「1週間の症例数は、欧州で3月に最初のピークを迎えた際に報告された症例数を上回っている」と指摘、先週1週間の欧州の感染者が30万人を超えたことを明らかにした。

クルーゲ氏によると、欧州の半分以上の国では、新規の症例数が過去2週間で10%以上増加し、うち7カ国では、新規に報告された症例数が同じ期間で2倍以上に増えた。

「春から夏の初めにかけては厳格なロックダウン措置の効果が表れ、6月には症例数がこれまでで最も少なくなった。だが9月の症例数は、我々全員にとっての警鐘と受け止める必要がある」とクルーゲ氏は強調している。

9月の第1週には50~79歳の高齢者層の症例も増加したが、新規の症例数が最も多かったのは依然として25~49歳の層だった。

各国政府はこれまでロックダウンの緩和や経済活動の再開に踏み切ってきた。しかし現在は、これ以上の感染拡大を食い止めるための対策を急いでいる。

フランスではパリ、ボルドー、マルセーユなどの大都市で、この数日の間に新型コロナウイルス感染症の入院者数が急増。1日当たりの新規の症例数は、先の週末で初めて1万人を超えた。

英国、ドイツ、スペイン、イタリアでも症例数は増えている。

英イングランドでは今週から新しい規制が導入され、6人を超える集まりは屋内、屋外を問わず禁止になった。スコットランドとウェールズも、他人との距離を置くソーシャル・ディスタンシング規制を強化している。

マット・ハンコック英保健相は17日の議会で、感染率の急増が懸念されるとして、イングランド北東部の規制を18日からさらに厳格化すると発表した。家庭外での社交活動を禁止するほか、飲食店や娯楽施設には午後10時閉店を義務付ける。

スペインの首都マドリードは、新たな新型コロナ対策を18日に発表する。

ドイツは南部バイエルン州のスキー場周辺で症例数が急増したことを受け、新たな規制を導入した。

オーストリアのセバスティアン・クルツ首相は13日、「我々は第2波の始まりにいる」とツイートし、「秋から冬にかけては困難な月になる。感染者数は日々増加している」とした。

感染の第1波はほとんど免れることができたギリシャやクロアチアなどの国でも、欧州域内の国境を越えた移動が6月に再開されたことを受けて夏の休暇の旅行者が訪れ、8月に入って症例数が急増している。

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