刃物男に脅された少年3人に警官が銃口、人種が関係か 米カリフォルニア州

拘束された若者の母親は息子たちはナイフを持った男に脅された被害者だと訴えている/Obtained by CNN

2020.08.13 Thu posted at 12:19 JST

(CNN) 米カリフォルニア州サンタクラリタバレーのバス停に座っていた10代の少年3人が、警官に銃を突きつけられて一時的に拘束される事件があった。少年3人のうち2人は黒人だった。母親は、息子たちはナイフを持った男に脅された被害者だと訴えている。

母親のタミ・コリンズさんは7日、この時の様子を映した動画をインスタグラムに投稿した。

コリンズさん側の弁護士ロバート・ブラウン氏によると、コリンズさんの息子ともう1人の友人はいずれも16歳の黒人で、もう1人は18歳の白人だった。

息子がコリンズさんに語ったところによると、ホームレスの男性が近寄ってきてコカインはないかと尋ね、所持品を奪おうとして、ナイフを突きつけたという。少年3人のうち2人は、スケートボードをかざして身を守ろうとした。

この場面を目撃した数人が、警察に通報したらしい。

コリンズさんが投稿した動画は、現場にいた目撃者の女性から提供されたものだといい、これまでに27万回以上も再生されている。

動画には、少年3人が別の誰かに襲われる場面は映っておらず、ロサンゼルス郡保安官事務所の警官少なくとも3人が現場に到着する場面から始まっている。警官2人は少年たちに銃口を向け、もう1人の警官はライフル銃を突き付けていた。

ロサンゼルス郡のアレックス・ビラヌエバ保安官は12日の記者会見で、「ほぼ同時に2件の通報があった」「1件は子供たちを加害者と呼び、もう1件はホームレスを加害者と呼んでいた」と説明した。

動画の中では目撃者の1人が、少年たちを連行する警官に向かって「別の男だ!」と叫んでいた。少年たちは両手を挙げて警官に従い、手錠をかけられて拘束された。

別の目撃者からは、「どうでもいいんだ、黒人だから!」という声や、「クレイジーな男が子どもたちを追い回していると通報したのに、こんなことをするのか?」という声が上がっている。

ライフル銃を構える警察官の姿

警官から事情を聴かれた目撃者の女性は、ヒスパニックの男性がナイフで少年たちを追い回していたと証言。これに対して警官は、その男性も拘束されているはずだと答えている。

別の警官は、「通報に食い違いがあるようだ。誰かがスケートボードで殴られたという通報もあった」と説明していた。

ブラウン弁護士によると、少年3人は30分ほどパトカーの中で拘束されていたが、警官が本人や目撃者から事情を聴いた後に解放された。保安官事務所も3人を解放したことを確認した。

少年たちをナイフで襲ったとされる男性は、パトカーのサイレンの音を聞いて現場から逃走したと思われる。ビラヌエバ保安官によると、このホームレスの男性はまだ見つかっていない。

12日の記者会見でビラヌエバ保安官は、事件の経緯について捜査していると説明し、少年たちにライフル銃を突きつけた警官は、捜査の結果が出るまで現場での職務から外したことを明らかにした。

ブラウン弁護士は、警官の対応に人種が関係していたかどうかが懸念されると述べ、捜査によって詳細が明らかになることを望むと話している。

刃物男に脅された少年らに警官が銃口 米加州

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