メルボルンの感染拡大止まらず、夜間外出禁止に外出制限厳格化も 豪

マスク着用の徹底を図るために警察がパトロールする様子=7月31日、メルボルン/WILLIAM WEST/AFP/Getty Images

2020.08.03 Mon posted at 10:50 JST

(CNN)  オーストラリア南東部のビクトリア州は2日、同国第2の都市メルボルンで新規のコロナウイルス感染者が1日当たり671人と過去最高に達したことを受けて非常事態を宣言し、夜間外出禁止や外出制限などのロックダウン(都市封鎖)強化に踏み切った。

記者会見したダニエル・アンドルーズ州首相は住民に対し、「皆さんが昨晩寝た場所に、次の6週間、とどまる必要があります」と述べ、午後8時から午前5時までの夜間外出禁止令を2日夜から発令すると発表した。

メルボルン都市圏については第4段階のロックダウンに移行し、夜間外出禁止の時間外であっても、必需品を入手するための外出を認めるのは1世帯につき1人のみ、1日1回に限定する。外出を認める範囲は自宅から半径5キロ以内とした。

メルボルンはオーストラリアの流行の第2波の中心地となったことを受け、既に7月から厳格な対策を続けていた。

同州では1日、新たに7人の死亡が確認され、これで死者は123人、感染者は1万1557人になった。


ビクトリア州のダニエル・アンドルーズ州首相。2日に新たな措置を発表した/WILLIAM WEST/AFP/Getty Images

アンドルーズ州首相は、感染源が特定できない人が760人に上ると指摘し、「そうした謎の症例と集団感染は、多くの側面において我々にとって最大の課題であり、我々が新たな段階の規制に移行しなければならない理由はそこにある」と強調。「(住民は)恐怖や悲しみや不安を感じるだろう」と認めたうえで、「ビクトリア州の住民は勇気と気概をもち、一丸となってこの事態を乗り切る」と力説した。

外出制限は、自宅から半径5キロ以内にスーパーマーケットがない場合や、親が幼い子どもを連れて散歩に出かけなければならない場合などは例外扱いが認められる。

ビクトリア州で感染が広がる中、介護施設の入所者が病院に搬送される様子=7月28日

運動は、2人以内の人数で1日1時間まで可能だが、それも自宅から半径5キロ以内に限られる。仕事や治療などの理由がある場合は、制限の緩和が認められる。

メルボルンの人口は500万人。ここ数週間は外出制限が強化され、マスク着用が義務付けられる中で、警察官の姿を見かけることが多くなっていた。

ビクトリア州のメルボルン都市圏を除く地域では、5日から「ステージ3」の制限がかけられ、カフェやバー、レストランなどの休業が命じられる。州内の学校はすべてオンライン授業に戻る。

全ての制限は施行日から6週間継続する。

隣のニューサウスウェールズ州ではグラディス・ベレジクリアン州首相が2日、対人距離が確保できない密閉空間や祈りの場、集団感染が多い場所などでマスクを着用するよう強く勧告した。同州で2日に確認された新規の症例は12例だった。

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