在沖縄米軍基地で感染者続出、シアトルからの到着便経由で感染か

沖縄県宜野湾市にある海兵隊の普天間基地/Kyodo News/Kyodo News Stills/Kyodo News via Getty Images

2020.07.14 Tue posted at 12:02 JST

(CNN) 沖縄の米海兵隊基地で100人近い新型コロナウイルス感染者が確認され、事実上のロックダウン(封鎖)命令が出された。

ロックダウン命令は11日午前に発令され、米軍関係者が許可なく基地の外で行動することを、ほぼ全面的に禁止した。命令の対象には、米軍が太平洋の空軍力の中心拠点と位置付ける嘉手納空軍基地も含まれる。

沖縄県は、13日午後までに米海兵隊の普天間飛行場とキャンプ・ハンセン、キャンプ・キンザーで94人が新型コロナウイルス感染症と診断されたと発表した。

米海兵隊の広報も、沖縄県の発表通りの感染者が出ていることを確認し、接触者の追跡を行っていることを明らかにした。海兵隊員や家族など数百人が検査を受けたとしている。

嘉手納基地のジョエル・キャリー司令官が10日に発表した声明によると、米軍関係者の感染は、主に普天間基地とキャンプ・ハンセンに所属する海兵隊員の間で確認された。渡航関連の感染のほか、感染源が特定できない症例もあるといい、集団感染が再燃する兆しの可能性もあるとしている。


キャンプ・ハンセンで訓練を行う海兵隊員=2017年/Sgt. Aaron Patterson/US Marine Corps

渡航関連では、米シアトルからの便を通じて嘉手納基地経由で感染が広がったとみられる。この便は、横田基地や岩国基地にも着陸している。ただし13日午後の時点で、嘉手納基地での感染者は確認されていない。

沖縄に駐留する海兵隊員の感染が確認されたのは初めてだった。

海兵隊のウェブサイトによると、隊員らは基地と住居の間の行き来を除き、基地外での一切の活動を禁止されている。それ以外の外出には上官の許可を必要とする。

嘉手納基地から離陸する海軍のP8A「ポセイドン」=18年8月

海兵隊員とその家族は、軍属も含めて、基地外の施設の訪問や、公共交通機関の利用、屋外での運動などが禁じられ、休暇を取ることも認められない。

嘉手納空軍基地のフェイスブックによれば、同基地も同様の措置を講じているが、空軍の規制は海兵隊に比べるとやや緩く、基地外の食品店や薬局へ行くことや、飲食店のドライブスルーの利用は許可している。

これに対して沖縄県の玉城デニー知事は、新型コロナウイルスが流行している間は、兵士らが米国などの基地から沖縄に来ることを認めるべきではないと述べ、いら立ちをあらわにした。

沖縄県によると、基地内の施設は新型コロナウイルス関連で隔離期間中の兵士らで満員状態になっていることから、沖縄に到着した米軍関係者らは、嘉手納基地に近い北谷町内のホテルに滞在している。

海兵隊の広報が13日に明らかにしたところでは、感染者は全員、沖縄県内にある海兵隊の兵舎で隔離している。さらに、沖縄に到着した海兵隊員や家族、米国人の軍属には全員、16日間の隔離を義務付けている。

13日には在韓米軍も、韓国に到着した米軍関係者11人が、新型コロナウイルスで陽性と判定されたと発表した。

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