(CNN) ガラパゴス諸島に派遣されて何十年も繁殖活動に励んだ絶倫ゾウガメの「ディエゴ」が、自分の種を絶滅の危機から救うという使命を果たし、南米エクアドル沖の無人島で引退生活に入った。
エクアドル環境相は15日、ツイッターへの投稿で、「ディエゴを含むエスパニョーラのゾウガメ15匹が故郷へ戻る。飼育下で何十年も繁殖活動を行い、自分たちの種を絶滅から救った」と称賛した。
国連環境計画(UNEP)も同日、「ディエゴがガラパゴス諸島エスパニョーラ島の自然環境に帰郷した。何十年にもわたる繁殖活動で自分の種を救った」「100歳を超すこのウミガメは、800あまりの子孫を誕生させた」「よくやった、ディエゴ!」とツイートしている。
ディエゴはもともと米サンディエゴ動物園で暮らしていたが、繁殖プログラムの一環として、ガラパゴス諸島に派遣されていた。
ディエゴが初めてエスパニョーラ島に到着した当時、島に残っていたのはオス2匹とメス12匹だけだった。しかしディエゴが精力的に活動したおかげで、個体数は2000匹以上に増えた。
ガラパゴス国立公園の推計では、このうち40%前後がディエゴの子孫に当たる。
ガラパゴス諸島はエクアドルの約1000キロ沖にあり、ユネスコの世界遺産に登録されている。世界の中でも独特な生態系で有名だが、観光客が増えすぎたことによる生態系への影響が懸念されている。