学校や飲食店の再開に向けたガイドライン草案、米CDCが起草

乗客のいない地下鉄の車両=4月28日、ニューヨーク市/Jeenah Moon/Getty Images

2020.05.01 Fri posted at 10:01 JST

(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は、新型コロナウイルスの流行が続く中で企業や学校、教会、公共交通機関などが安全に営業を再開するための暫定的なガイドラインの草案をまとめた。

CNNは4月30日、関係者からこの草案を入手した。米衛生当局者は草案の内容について、まだトランプ政権による検証の段階にあり、変更される可能性もあると強調している。

草案では、保育、学校、信仰の場、弱者の雇用、飲食店、公共交通機関の6分野について、それぞれ段階的な再開に向けた具体的なガイドラインを示している。

ただしトランプ大統領は29日、飲食店やサービス業界代表との会談で、「ニューノーマル(新常態)は3カ月前の状態であってほしい。我々はあの時に戻ることを望んでいると思う」と力説、これまでとは変わった形の日常に戻るようなガイドラインは承認しない可能性があることを示唆していた。

舞台裏では業界団体が政権に対し、全米で一貫した基準を打ち出すよう圧力をかけている。一部には、コストがかさみかねない営業形態の変更を勧告された場合の損益に配慮するよう、ホワイトハウスに求める声もある。

トランプ大統領は30日の発言でも、レストランや競技場に半分しか客が入らない状態は、多くの国民にとって正常な状態とはみなされないという認識をにじませた。

CDCの草案では、学校を再開する場合の対応について、クラスごとに毎日同じグループを維持して児童や生徒の入れ替えは避けるよう勧告。できれば座席は互いに1.8メートルほどの間隔をあけ、不要不急の集会や遠足は避けて、昼食は食堂でなく教室で食べることなどを提言している。

保育施設については、対策が必要だと州や自治体が判断した場合は閉鎖すべきとしながらも、医療従事者など必須の就労者の子どもについては営業を継続できるとした。

宗教施設に関しては、大規模な集まりは制限して、可能な場合は仮想礼拝や屋外礼拝を行うこととし、信仰の許す範囲で合唱や音楽アンサンブルの中止を検討するよう促している。

雇用主に対しては、基礎疾患のある人や高齢者など、新型コロナウイルスの重症化リスクが高い従業員を守るため、在宅勤務を奨励するなどの対策を促した。

レストランやバーが営業の再開を検討する場合は、客の数を制限するなどしてソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)に努めなければならないと規定。メニューや食器は使い捨てのものに切り替えて、レジには飛沫(ひまつ)感染防止用の仕切りを設け、サラダバーやビュッフェなどは避けるよう求めている。

公共交通機関に対しては、感染状況が異なる地域間のルート制限や、消毒、換気などの対策徹底を勧告した。

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