NYなど各地で感染者急増、年少者で初の死亡例も 新型コロナ

閑散としたブルックリン橋=20日、ニューヨーク市/Victor J. Blue/Getty Images

2020.03.25 Wed posted at 12:25 JST

(CNN) 米国内の多くの州で先週から、新型コロナウイルス感染が確認された患者の急増が報告されている。カリフォルニア州では10代の患者が死亡し、年少者が亡くなる国内初の例となった。

死亡したのは同州ロサンゼルス郡の都市ランカスターに住む患者で、感染の経緯などは不明。

ホワイトハウスの新型ウイルス対策調整官を務めるデボラ・バークス博士は23日の会見で「手元のデータによると、これまでに欧州で15歳未満の死者はいない。中国では14歳の患者1人が死亡した。子どもは重症化しにくいことが分かる」と強調した。

医学誌に発表された研究によると、中国では先月7日に湖北省で14歳の少年の死亡が報告されたほか、基礎疾患のある生後10カ月の男児が同省武漢の病院に収容され、4週間後に多臓器不全で死亡している。

24日午後までに全米で確認された感染者は計5万2000人を超え、死者は685人に達した。

特に目立つのはニューヨーク州で、感染者は2万5000人、死者210人となった。クオモ知事は連邦政府に対し、重篤な患者に使うための人工呼吸器をただちに送り込んでほしいと要請した。

クオモ氏によると、州内にある人工呼吸器は7000台だが、今後2週間前後で訪れるとみられる感染のピークには3万台が必要となる見通し。同氏は連邦当局が備蓄する2万台を放出するよう求めている。

トランプ米大統領は先週、民間企業に医療物資の増産を命令できる「国防生産法」の発動を宣言したが、今のところ具体的な命令は出していない。

クオモ氏はさらに、ベッド数と医療スタッフの不足を訴えた。州内のベッド数は5万3000床だが、ピーク時には14万床が必要とみられるため、ホテルなどに患者受け入れの協力を求めているという。

同氏は、ニューヨークが今は先遣隊の立場にあるとの見方を示し、「ピークを越えた後はここから全米各地に人工呼吸器や医療スタッフを回す」と訴えた。

ニューヨーク州に次ぐニュージャージー州では、感染者が先週だけで10倍に膨れ上がり、23~24日には800人以上増えて計3675人となった。州内で44人の死亡が報告されている。

このほかミシガン、フロリダ、ジョージアの各州でも、感染者が一気に1000人を超えた。

感染拡大のスピードを抑えようと、25日までに少なくとも17州で住民に対する自宅待機命令が出される。

トランプ氏は経済への影響を抑えるため、こうした措置を早期に解除したいとの意向を示しているが、専門家の間では長期化も避けられないとの見方が強い。

当局者らによると、ホワイトハウスでは40歳未満の年齢層から段階的に職場復帰を認める案などが検討されているという。

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