弾劾裁判の実質審理初日、裁判手順の決議案を採択

共和党のマコネル上院院内総務の提示した弾劾裁判の手順に関する決議案が採択された/Senate TV

2020.01.22 Wed posted at 21:35 JST

(CNN) トランプ米大統領のウクライナ疑惑をめぐる上院での弾劾(だんがい)裁判は21日から実質審理が始まり、裁判の手順を定める決議案が22日未明に採択された。

決議案は上院共和党トップのマコネル院内総務が提示。長時間に及んだ議論の末、採決にかけられた。与党・共和党議員が賛成、野党・民主党議員が反対に回り、53―47で採択された。

決議案は、検察官役の下院民主党とトランプ氏の弁護団による冒頭陳述をそれぞれ3日間で計24時間、上院議員からの質問を16時間とし、民主党側が求める新たな証人の招致や証拠文書提出を認めるかどうかはその後で決めるという内容だった。

これに対して上院民主党トップのシューマー院内総務は、冒頭陳述や議員の質問が終わった後で追加証拠の採否が決まるのでは遅すぎると主張。「トランプ氏のためにトランプ氏が作ったルールのようだ。上院に審理をできるだけ急がせ、証拠の採用をできるだけ難しくしようとしている」と、決議案を批判した。

シューマー氏はそのうえで、それぞれの追加証拠を決議案に盛り込むための修正案計11件を提示。新たな文書としてホワイトハウスや国務省、行政管理予算局などの資料、証人としてマルバニー大統領首席補佐官やボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)らを順に挙げた。

上院民主党トップのシューマー院内総務は決議案の内容を批判

各修正案をめぐって民主党と弁護団の間で激しい議論が交わされたが、採決ではいずれも共和党の反対により否決された。双方が感情的になり、裁判長を務めるロバーツ最高裁長官がいさめる場面もあった。

議場ではメモを取りながら熱心に聞く議員もいたが、議論が長引くにつれて椅子の背にもたれたり、私語を交わして笑い声を上げたり、メモをやり取りしたりする議員らの姿も目立った。

マコネル氏は決議案の手順について、1999年に行なわれたクリントン元大統領の弾劾裁判を踏襲すると表明してきた。当時の手順でも証人の採用は裁判の後半に決まり、冒頭陳述や質問が終わってから3人が宣誓証言した。

これに対して民主党側は、クリントン氏の裁判では証人がすでに大陪審で証言していたのに対し、マルバニー氏らは下院の弾劾調査で証言を拒否したと指摘して、条件の違いを強調した。

弾劾裁判、審理初日の動き

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