(CNN) 米ミシシッピ州の一家が子ども部屋に設置していた防犯カメラに何者かが不正アクセスし、スピーカー機能を使って8歳の女の子に「サンタクロースだよ」などと話しかける事件があった。
不正アクセスされた防犯カメラの「リング」をめぐっては、ユーザーが知らないうちにアカウントに不正ログインされる事案が相次いでいる。
母親のアシュリー・ルメイさんがCNN系列局WMCに語ったところによると、娘の部屋に防犯カメラを設置したのは、看護師の夜勤の時に娘の様子を見守るためだった。「ずいぶん調べてからこれに行き着いた。安全だと信じていた」とルメイさんは振り返る。
ところがカメラを設置してからわずか4日後に事件は起きた。ルメイさんは雑用をしていて、夫は自宅で子どもたちと過ごしていた。
娘のアリッサさんは、自分の部屋から物音が聞こえるのに気づき、様子を見に行ったという。
WMCが入手したリングのカメラ映像には、部屋の中に立ったアリッサさんが、スピーカーの相手と話す様子が映っている。
アリッサさんが「誰なの」と尋ねると、「僕は君の親友だよ。サンタクロースだよ」と答える男の声が部屋の中に響き渡った。「僕はサンタクロースだよ。僕の親友になりたくない?」
男の声は、アリッサさんに嫌がらせをしたりからかったり、部屋を破壊するようそそのかしたりしたという。
ルメイさんは、「娘の『マミー、マミー』という悲鳴を聞いて、部屋に駆け込んだ」と話している。
リング社はCNNに寄せた声明で、同社のセキュリティー対策が破られたわけではないと強調し、被害に遭った一家はアカウントの安全対策が不十分だった問題を突かれたようだと説明した。
同社によると、ユーザーは同じユーザー名とパスワードを別のアカウントやサービスで使い回していることがあり、そうした情報が悪用されて、防犯カメラに不正アクセスされることがあるという。
こうした被害を防ぐために同社は、2段階認証を設定し、破られにくいパスワードを使うことなどを勧告している。
リングの防犯カメラをめぐっては、過去1週間の間に同じような事案が少なくとも3件報告されている。
ネブラスカ州の男性は11日、自宅のキッチンカウンターに設置したリングのカメラから、娘に話しかける声が聞こえたと話している。男性がCNN系列局WOWTに語ったところによると、すぐに装置を取り外してリングに電話したところ、他人がこの男性のアカウントに不正アクセスしていたと告げられたという。
CNN系列局WSB―TVによれば、ジョージア州アトランタの女性は就寝中に、寝室のリングカメラから男性の声が聞こえたと証言した。
8日夜にはフロリダ州ケープコーラルに住む夫婦がリングのカメラ経由で嫌がらせを受け、人種差別的な暴言を浴びせられた。相手の男は数日間にわたって夫婦を監視していた様子だったという。
リングはいずれの事案についても、同社のシステムが不正侵入されたわけではなく、何者かがパスワードを盗んだり、安易なパスワードを破ったりしてユーザーのアカウントに不正アクセスした可能性が大きいと説明している。
自宅の防犯カメラに不正侵入、8歳女児に「サンタだよ」