(CNN) 米東海岸と西海岸の両方が1日、大雨や暴風雪などの悪天候に見舞われ、感謝祭の連休のUターンラッシュで混雑する空の便を直撃している。冬季に関連した注意報や警報の影響を受ける人は、全土で合わせて5000万人以上に上る。
空の便は全土で欠航や遅れが相次ぎ、アメリカン航空やデルタ航空など航空各社が予約便のキャンセルや変更を受け付けている。
航空機が滑走路上でスリップする事故も起きている。ニューヨーク州のバッファロー・ナイアガラ国際空港では1日午前、悪天候のため到着便がゲートへ向かう途中で滑走路からはみ出した。
サウスダコタ州チェンバレンでは11月30日、航空機が墜落して9人が死亡した。
米国立測候所によると、米中西部の北部に大雪をもたらした寒冷前線は北東部へと移動、同地でも積雪や冷たい雨が予想されている。
北東部では3日までの積雪が約30センチに達する見通し。ニューヨークでは1日から2日にかけて1時間に約5センチの雪が降ると予想され、道路上に雪が積もって危険な状態になったり、倒木や送電線の寸断が起きる可能性もある。
ニューヨーク市では1日夕刻の大雨が翌朝までに雪に変わると予想され、2日までの積雪は7~13センチに達する見通し。クオモ知事は州兵を待機させていることを明らかにした。
北東部から南東部にかけての沿岸部一帯では、雷や突風を伴った大雨も予想される。
マサチューセッツ州でも内陸部で20~30センチの積雪が予想され、沿岸部は強風に見舞われる可能性があるとして、災害対策当局が警戒を呼びかけている。
一方、西海岸でもワシントン州シアトルからカリフォルニア州ロサンゼルスにかけての一帯で暴風雨が予想され、高地では積雪も予想されている。
山間部などでは暴風雪のために視界が白一色になるホワイトアウト現象が起きる恐れがあるほか、カリフォルニア州北部の山火事に見舞われた一帯などでは洪水にも警戒する必要がある。
カリフォルニア州南部では、雪に覆われた樹木が暴風のために倒壊して送電線が寸断され、およそ1万軒が停電に見舞われている。同州では3日まで暴風雨が続く見通し。
感謝祭は1年の中でも特に空の便が混雑するシーズンで、航空業界団体によると、1日は310万人の搭乗が予想されていた。今年の感謝祭の連休を合わせた乗客数は、前年より3.7ポイント増えて過去最高の3160万人に達する見通しだった。
しかし航空情報サイトによると、1日午後までに米国内線と国際線を合わせて1200便以上が欠航となり、5000便近くに遅れが出ている。国立測候所によると、空の便の混乱は2日いっぱいは続く見通し。
米全土で暴風雪、5千万人に警報や注意報